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先進起業家は空を目指す 新しい航空機と輸送システム次々登場

Googleの2人の共同創業者もそれぞれ飛行に関心

 UberとLiliumはともにeVTOLを進めているが、そのアプローチは異なる。

 Liliumは機体からアプリやサービスまで、トータルに開発を進めている。だが、商用化にあたっての計画はまだ明確にしていない。

 一方のUberは、パートナー戦略をとる。航空機の開発については、Aurora Flight Sciences、Pipistrel、Bell Helicopter、Embraer、Mooneyの5社と提携。離着陸に必要な“バーティポート”については、ダラスではHillwood Properties、ドバイのDubai Holdingsと提携する。Uberがとるモデルは、地上でのサービスと同じで、Uberのブランドを通じてアプリ経由で集客することだ。

 そして空に魅せられているのはUberや、LiliumとZennstrom氏だけではない。4月24日には、Google(Alphabet)の先端事業部門Google Xを創設して自動運転車のプロジェクトを率いていたSebastian Thrun氏の会社、Kitty Hawkが、「Flyer」と呼ぶプロトタイプ機体の動画を掲載した。同社はAlphabetのCEO兼共同創業者、Larry Page氏が個人的に出資したことで有名になった。

 Kitty Hawkは、Flyerについて「Kitty Hawk Flyerは全く新しい電気の航空機だ。FAA(米連邦航空局)の規制の下、超軽量カテゴリの渋滞のないエリアを安全かつ合法的に運営される」と紹介している。

 Flyerは、人間が乗れるドローンのような機体で、飛行機というより“空飛ぶジェットスキー”といった形をしている。数メートルの高度を最高時速40キロ程度で移動できるという。

 Googleのもう一人の共同創業者、Sergey Brin氏の動向も伝えられている。Brin氏が秘密プロジェクトとして、巨大な飛行船を建造中というのだ。

 プロジェクトに近い4人の関係者の話として伝えたBloombergによると、Alphabetが3年前にNASA(米航空宇宙局)から借りているエイムズ研究所で進められているという。プロジェクトを率いるのは、かつてエイムズ研究所でプログラムディレクターを勤めたAlan Weston氏だ。

 Bloombergは、Weston氏が2015年にラジオ番組のインタビューで、燃料効率を改善して、空港や専用施設ではなく必要なところに直接貨物を運ぶ飛行船について話していたことを引用する。改善要因の一つとして、圧縮ヘリウムの利用を挙げていたという。

 Brin氏自身は、「このトピックについて現在話すことは何もない」とBloombergに対してコメントしている。