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IT業界に大規模人員削減? クラウド化が加速も

33万人がクビになる

 Trip Chowdhry氏は今年1月、トップのテクノロジー企業10社について、2006年に行うだろうレイオフを具体的な数字を挙げて予測した。InformationWeekが詳しく伝えている。

 10社の予想される人員削減は次のようなものだ。VMware(1700~2500人)▽Symantec(2800人)▽Yahoo(3500人)▽EMC(1万~1万4000人)▽Cisco Systems(1万4000人)▽HP Inc.(1万4000人)▽Microsoft(1万8000人)▽Oracle(2万6000人)▽Hewlett Packard Enterprise (HPE)(7万2000人)▽IBM(9万5000人)。

 10社の総数で25万7000人から26万1800人。それぞれ各社の従業員の10%から30%にあたる。Chowdhry氏は、さらにNetwork ApplianceやJuniper Networksなどを加えた大手14社の人員削減規模を計約33万人と計算していた。

 同氏は、大規模な人員削減の4つの要因を挙げている。「テクノロジーのシフト」「“マイクロサービス”によるIT効率化」「テクノロジー統合という価値の終わり」「コンシューマーの行動の変化」だ。InformationWeekのインタビューで次のように説明している。

 まず、「テクノロジーのシフト」は、クラウドとモバイルで従業員の生産性が指数関数的に高まること。「“マイクロサービス”による効率化」は、パソコンなどのハードウェアが必要だった作業が、Webサービスのようにハードウェアへの依存から離れて効率が向上したこと。

 「テクノロジー統合という価値の終わり」は、以前なら、それぞれ異なるベンダーから導入したミドルウェアやデータベースをつないで設定するというバックエンドの人員が必要だったが、クラウド化で不要になるということ。「コンシューマーの行動の変化」は、コンシューマーがより好みに合ったWebサイトにシフトすると広告主も追随し、結果として広告依存のWebサイトの売上が落ち込むということだ。

 これらは、最近のパブリッククラウドの隆盛を、別の側面から見たものでもある。IT企業はユーザーの生産性と効率を高めてコストを削減し、同時に自らの中に時代遅れの非効率部門をつくり出している――ということだ。