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コンテナ利用が着実に増加、課題は「セキュリティ」から「管理」へ

課題は「セキュリティ」から「永続ストレージ」へ

 課題面からみたコンテナはどうだろう。ClusterHQの調査では、「コンテナ導入の障害となっているものは何か」という質問に対して、「永続ストレージ」(25%)が、前年最多だった「セキュリティ」に代わってトップとなった。

 永続ストレージはコンテナの内部データの保持を可能にする技術で、コンテナを繰り返し使うにあたって必要となる。永続ストレージを課題に挙げる企業が増えたことは、コンテナの利用が増えている現状と一致するものとなる。「セキュリティ」は「ネットワーキング」(15%)にも抜かれ、3番目だった。

 Cloud Foundry Foundationの調査では、実装上の懸念と課題の2つを聞いた。懸念では、「自社環境への統合が複雑」が45%でトップ。次が「管理に多数のスキルを持ったスタッフが必要」(35%)だった。

 課題としては、「コンテナの管理」が50%でトップ。以下、「モニタリング」(38%)、「永続ストレージ」(36%)、「セキュリティ/分離」(30%)と続いた。Cloud Foundry Foundationは「コンテナの利用が増えるにつれて、管理者はコンテナの繁殖に戦わなければならない。一番の課題はコンテナの管理だ」と記している。

 このほか、モニタリング、永続的ストレージなどが課題として挙がったことについて、「企業がコンテナの管理をスケールさせるにあたって課題に直面している」と分析している。一方で、コンテナを評価中の企業や組織で「コンテナ管理」を挙げたところは少なく、市場の速度に合わせてスケールさせることに関心が向いているという。

 注意すべきことは、2つの調査には、対象によるバイアスもありそうだということだ。eWeekが指摘しているが、例えばオーケストレーションツールを見ると、ClusterHQの調査では、43%が「Kubernetes」で、29%が「Docker Swarm」なのに対し、Cloud Foundryが4%に過ぎない。一方、Cloud Foundry Foundationの調査では、Cloud Foundryが42%と圧倒して、Amazonが32%、Kubernetesが6%という全くかけ離れた数字になっている。

 しかし、いずれにしても、コンテナ(Docker)が急速に採用されていることは間違いなく、その勢いはまだまだ衰えないようだ。