クラウド特捜部
Windows Azureベースのサービス提供を加速するMicrosoft~Build 2013での発表を振り返る
(2013/7/19 00:00)
Microsoftの開発者向けセミナー、Build 2013の2日目の基調講演では、同社のサーバー&ツール ビジネス部門の責任者サタヤ・ナデラ(Satya Nadell)氏が、クラウドサービスであるWindows Azureの可能性について説明した。
ここでは、Windows Azureの最新動向を紹介しよう。
拡大、拡張するWindows Azure
サタヤ・ナデラ氏は、2010年1月に正式サービスインしたWindows Azureが、サービスを始めてから3年で世界有数のパブリッククラウドとして利用されていることを誇った。同氏によれば、現在のWindows Azureは、フォーチュン500の企業の50%が採用し、3200万の企業・団体で利用されているとのこと。これに伴い、ストレージは850兆オブジェクト、1秒間に900KBのストレージトランザクションが生じている(月間200兆)。Windows Azureは、半年でComputeやストレージを倍々ゲームで増やしているという。
個人的には、これだけのインフラを増やし続け、さらに管理しているMicrosoft自体もすごいことだと思う。これだけのクラウドサービスを提供しているのは、Amazon Web Services(AWS)やGoogleぐらいだろうか。ここまでくると、クラウドサービスを低価格で提供するための規模の論理からみれば、中小のクラウドプロバイダにとっては、太刀打ちできないほどに成長しているのだろうといえる。
さらに、Microsoftのクラウドのすごさは、Windows Azureだけでなく、自社でサービスを提供しているさまざまなSaaSサービスが、システムの安定運用のためのトライアルサービスになっていることだ。
無償で提供している電子メールサービスのOutlook.comは、1日に200万ユーザーが増加している。さらに、Xbox Liveでは15億ユーザーがHalo(ゲームタイトル名)をオンラインでプレイしている。このようにMicrosoftが提供しているSaaSサービス自体も、Windows Azureをベースとしているため、自社のサービスでクラウドの負荷テストを行っているのに等しい。全世界で多数のユーザーが利用しているサービスが、トラブルが少なく運用されているのは驚くべきことだ。