クラウド特捜部

Windows Azureベースのサービス提供を加速するMicrosoft~Build 2013での発表を振り返る (Windows Azure Web Sitesなどの正式サービスを開始)

Windows Azure Web Sitesなどの正式サービスを開始

 Microsoftでは、Windows Azure上で新しいサービスを次々と投入している。これらはまず、プレビュー版ということで課金せず、多くのユーザーに新しいサービスを利用してもらい、パフォーマンステストや使い勝手のテストを繰り返している。

 昨年からプレビュー版として提供されていた「Windows Azure Web Sites」と「Windows Azure Mobile Services」が、Build 2013のタイミングで正式サービスになった。

 Windows Azure Web Sitesは、数回のクリックでWebサイトを構築できるサービスだ。Windows Azure Web Sitesの特徴としては、Visual Studio 2013で作成したASP.NETのアプリケーションをアップロードして、Webサイトで動かすことができることだ。

 さらに、Webサイトの負荷に応じて、Webサーバーを自動的に拡大・縮小する機能が用意されている。これを利用すれば、急にアクセスが集中しても、サーバーダウンなど起こさずにWebサイトを提供し続けることができる。

 また、Git、GitHub、Bitbucker、CodePlex、Team Foundation Server(TFS)などのソースコード管理システムから、既存サイトをデプロイすることも可能だ。

昨年からプレビューとして提供されていたWindows Azure Web Sitesが正式サービスになった。これにより有償となったが、SLAが保証されるようになっている
Windows Azure Web Sitesは、ASP.NETで構築することができる
Visual Studio 2013には、Windows Azure Web Sitesを構築できるASP.NETのプロジェクトが用意されている
Windows Azure Web SitesのID認証に何を使うかを指定可能
Visual Studio 2013では、Webサイトの画面をChromeやIEなど複数のブラウザで表示を確認できる。これなら、ブラウザの違いで表示が異なるということも事前に確認できる
Visual Studio 2013では、Windows Azureにアップしたプログラムのログを受け取り、動作を解析することができる

 一方のWindows Azure Mobile Servicesは、Windows OS、Windows PhoneやAndroid、iOS、HTML5などを利用するモバイル端末に対して、ユーザー認証、プッシュ通知、ストレージなどの機能を、Windows Azure上で簡単に提供できるようにするサービスだ。

 このサービスを利用すれば、今まで複雑なシステムで提供していたスマートフォン向けのサービスなどが、構築しやすくなる。開発者は、コンテンツやビジネスロジックの開発に注力し、認証システムやプッシュ通知などのシステムが必要とする周辺機能などは、Windows Azure Mobile Servicesが一括して提供してくれる。

 このサービスも、負荷に応じてサーバーの拡大・縮小を行ってくれるオートスケールに対応しているため、急なアクセスの増加によるシステムダウンを防いだり、夜間になりアクセスが低下した時に、自動的にサーバーの数を縮小して、運用コストを低減したりすることもできる。

 Windows Azureでのオートスケールの設定自体は、非常に簡単で、負荷率と拡張するサーバーの数と性能を設定すれば、負荷に応じてスケールするようになる。

Windows Azure Mobile Servicesを使えば、Windows、Windows Phone、iOS、Android、HTML5などのモバイルやスマホ向けのサービスも簡単に構築できる
モバイルサイトのパフォーマンスなどをグラフ化して確認することができる
Windows Azureのオートスケール機能。これを使えば、サイトを負荷に応じて、拡張・縮小ができる

(山本 雅史)