クラウド特捜部
Windows Azureベースのサービス提供を加速するMicrosoft~Build 2013での発表を振り返る (ID管理を改善するWindows Azure Active Directory)
(2013/7/19 00:00)
ID管理を改善するWindows Azure Active Directory
多くの企業ユーザーが首を長くして待っていたのが、Windows Azure Active Directoryだろう。
このサービスにより、オンプレミスにあるActive Directory(AD)とWindows AzureのWindows Azure Active Directoryと接続し、社内で運用しているADベースのID管理を、そのままクラウドでも利用できるようになった。
特に、SaaSのOffice 365やWindows Intuneなどのサービスにとっては、社内ですでに構築していたID管理システムをそのままクラウドに拡張できるため、大きなメリットが得られる。
また、Microsoftアカウント、Google、Yahoo!、Facebookのような一般的なWeb IDプロバイダを使用して、シームレスにシングルサインオン(SSO)を行うこともできるようになった。
このほか、2012年にMicrosoftが買収したPhoneFactorのテクノロジーを利用する、多要素認証テクノロジーが採用されている。この認証システムでは、IDとパスワードに加えて、登録されている携帯電話に電話をして認証コードを音声案内で送り(SMSでもOK)、そのコードをクラウド上のサービスに入力してもらう仕組みを提供することで、個人認証のセキュリティレベルを向上させている。
一方、今回新たにBuild 2013で発表されたプレビュー機能としては、SaaS Management機能がある。Windows Azure Active Directoryのユーザー情報にユーザー名やパスワード、個人プロファイルだけでなく、その個人が利用できるSaaSサービスを登録しておくことができる。
これを使えってADのユーザー認証を行えば、Box(クラウドストレージサービス)、salesforce.com、AWSなどのさまざまなクラウドサービスへアクセスする際に、いちいちIDやパスワードを入力しなくても利用できるようになる。
管理者側も、ADでユーザーに付与しているSaaSサービスの利用権限を追加したり、削除したりすることで、ほかのSaaSサービス利用を管理することができる。部署が変わったり、退職したりしても、SaaSのIDやパスワードを変更・削除する手間が省けるのだ。