Windows Server 2012研究所

Windows 8.1 Updateのポイントを解説する (Modernアプリのサイドローディングのルールを緩和)

キーボードやマウスのユーザーに向けたアップデート

Modernアプリのサイドローディングのルールを緩和

 Windows 8.1では、社内アプリとしてModernアプリを配布する場合、Enterprise版の場合は無償で利用できた(SA特典として提供されていた)が、ProやRTなどの場合は、別にサイドローディングのためのライセンスが必要だった(サイドローディングキー、1クライアントあたり1230円)。

 しかしWindows 8.1 Updateにより、サイドローディングに関するライセンスが緩和された。これにより、ドメインに参加しているWindows Enterprise、Proともに、サイドローディングキーがなくても、Modernアプリがサイドローディングできるようになった。

 また、ドメインに参加していないWindows ProやWindows RT(もともとドメインに参加できない)では、サイドローディングキーが必要になる。だたし、サイドローディングキーは無償で提供されるようになったため、追加コストは必要なくなった。

 サイドローディングキーを取得するには、Microsoftのボリューム ライセンス サービス センターから取得する必要がある。このため、セレクト以上の契約を行っていないとサイドローディングキーが取得できない。

Windows 8.1 Updateは必須

 実際にWindows 8.1 Updateを使ってみると、キーボードやマウスが前提のデスクトップ アプリケーションを使うユーザーにとっては非常に便利だ。

 なお、Windows 8.1 Updateと同じものがWindows Server 2012 R2にも提供され、適用後は、スタート画面に左上に電源ボタンと検索ボタンが表示されるようになる。

Windows 8.1 Updateと同じものが、Windows Server 2012 R2にも適用される。スタート画面に左上に電源ボタンと検索ボタンが表示されている
マウスカーソルを最下部に移動するとスタート画面にタスクバーが表示される。デフォルトではWindowsストアやModernアプリがインストールされていないため、Updateのメリットはあまりない

 Windows 8.1 Updateは、クライアント/サーバーにとっては、新機能というよりも、ユーザーの使い勝手を考えた機能改修といえるだろう。今後、ラピッドリリースというコンセプトにしたがって、こういったUpdateは頻繁に起こる。

 また、このアップデートは、Windows Updateで配布されるためセキュリティパッチと同じ位置づけとなる。このため、5月以降配布されるWindows 8.1のセキュリティパッチは、Windows 8.1 Updateが前提になる。企業にとっては、Windows 8.1/Windows Server 2012 R2を採用している限り、Updateを適応しないという選択肢はない。このあたりは、セキュリティパッチと同じように割り切って、適応していくしかないだろう。

 今回のUpdateに関しても、1カ月以内にテストを終えないと、来月にはUpdateを前提にしたセキュリティパッチの配付が行われる。Service Packのような詳細なテストをするのではなく、配布が始まって、市場においてトラブルがないとわかれば、社内でもアップデートを行うべきだと筆者は考えている。

 なおMicrosoftでは、次のUpdateでは、デスクトップのウィンドウでModernアプリが動作するように改良する。次のUpdateがいつになるかわからないが、年内中にはリリースされることになると予想されているようだ。

Windows 8リリース後1年でWindows 8.1がリリースし、Windows 8.1 Updateは半年後にリリースされた。もしかすると次のアップデートは、半年後かもしれない
次のアップデートでは、デスクトップでもModernアプリがウィンドウで表示できる。スターメニューも戻ってくるが、スタート画面と融合した形になっている

山本 雅史