クラウド&データセンター完全ガイド:イベントレポート

サーバーのさらなる省エネ・高密度化を実現する、ソリダイムの最新データセンター向けSSD

データセンター事業者向け改正省エネ法・省エネルギー対策 特別セミナー 第2弾 省エネソリューションセッション

 クラウド&データセンター完全ガイドでは、「データセンター事業者向け改正省エネ法・省エネルギー対策 特別セミナー 第2弾」として、データセンター事業者に向けた改正省エネ法への対策や、省エネを実現するソリューションを紹介する特別セミナーを3月15日に開催した。省エネソリューションセッションでは、ソリダイム(Solidigm)のルーカス・ホー氏が製品のポートフォリオのロードマップを紹介し、後半は日本での販売代理店であるテックウインドの小山貴弘氏が、補足説明を行った。ソリダイムは、インテルのSSD部門が韓国のSK hynix社に事業譲渡され、米国のシリコンバレーに本社を置く米国企業として、2021年の12月30日にスタートした。データセンター向けSSD製品は、インテルブランドからソリダイムブランドに切り替わり中だ。
ソリダイムのルーカス・ホー氏
テックウインドの小山貴弘氏

ソリダイム製品のラインアップ

 ソリダイムのデータセンター向けSSDは、D7、D5、D3の3つのシリーズがあり、それぞれ利用企業の用途に合わせた複数のフォームファクター(物理仕様)の製品を提供している。

ソリダイムのデータセンターシリーズSSD

 最上位モデルのD7シリーズは、要求の厳しいワークロード向けに設計された、高パフォーマンス用途向けのSSDで、インターフェイスはPCIe Gen 4.0、容量は800GBから15.36TBまでをラインアップしている。

 SSDの耐久性の指標としては、DWPD(Drive Write Per Day)という数値が設定されており、これは、保証期間中に1日あたりドライブ全体を何回書き換えて良いかを示す。

 D7シリーズでは、最も耐久性の高いSSDの「D7-P5810」が50DWPDで、HPCや書き込みバッファなどの書き込みが多いアプリケーション、あるいは高い耐久性が必要な用途に適した製品となる。「D7-P5620」は3DWPDで、ランダムリード/ライトが混在しているワークロードに適した製品。「D7-P5520」は1DWPDで、多くのサーバーまたはストレージソリューションで主力の製品となっている。

 また、今後のラインアップについては、「ソリダイムのD7シリーズにPCIe Gen 5.0対応またはフォームファクターE3.Sの製品製品が用意されているかどうかに関心を持たれるかもしれません。それに対しては、用意しているというのが答えになります。当社からはGen5、E3.S、およびU.2タイプの製品をできる限り早く発売します」(ホー氏)と語った。

 D5シリーズは、リード集中型のワークロード向けに最適化された、超高密度でコスト効率の高いSSD。0.5DWPDの「D5-P5430」と0.4DWPDの「D5-P5336」「D5-P5316」がラインアップされ、インターフェイスはPCIe Gen4。容量は3.84TBから61.44TBまでの多様な製品を用意している。

 D3シリーズは、現在でもIPCネットワークやブートドライブなど多くの用途で使われている、SATAインターフェイスの多彩なストレージラインアップとコストパフォーマンスに優れた、SATA IIIインターフェイスのSSD。製品ラインアップは、3DWPDの「D3-S4620」と1DWPDの「D3-S4520」を用意している。

ソリダイム最大のストレージ密度「D5-P5336」

 これらの製品の中でもベストセラーとなっているのが、「D5-P5336」という製品だ。PCIe Gen4のNAND QLCドライブで、サーバー設計や需要に応じて、3つのフォームファクターを用意している。

「D5-P5336」製品概要

 D5-P5336は最も大容量のPCIe SSDとなり、2Uのサーバーに61.44TBのU.2タイプを24台搭載すれば、トータル容量は1.47PB(ペタバイト)となる。ホー氏は、「競合製品の中で最も高密度の製品でもこの半分程度の容量で、HDDサーバーと比較すると5倍の密度を発揮できる」と説明。また、E1.Lタイプであれば、1Uサーバーで2PBの容量を実現でき、ストレージソリューションにおいてかなりのスペースを節約できるとした。

ソリダイム最大のストレージ密度

 また、D5-P5336はQLC SSDだが、「従来の考え方では、セルあたりのビットが増加するほど耐久性が低下するため、QLC SSDは限られた作業負荷にしか対応できないと言われていました。そのため、お客さまからは、QLC SSDの耐久性はTLC SSDより低いのに、なぜQLC SSDを使わなければならないのか、という懸念をいただく可能性があります。実際のところこれは誤解であり、正しくありません」(ホー氏)と説明。

 ホー氏は、2020年~2023年に世界中に出荷されたデータセンターSSDの85%が、DWPDが1以下だと見積もられており、システムの99%が定格寿命の15%までしか使用されていないという調査を紹介。また、耐久性の見積もりを組み合わせた、PBW(書き込みペタバイト数)という指標でも、D5-P5336のPBWが最大となり、実用上は間違いなくQLC SSDで十分なものになると語った。

読み込み集中型ワークロードに向けた十分な耐久性

 さらに、現在のデータセンターとクラウド環境内で、最も一般的なワークロードは読み込み集中型であるという調査結果を紹介。CDN、AI/機械学習、HPCなどの激しいワークロード用途は、書き込みよりも読み込みが多い傾向にあり、その点でもD5-P5336のようなQLC SSDの強みが発揮されるとした。

データセンターではRead処理がメイン

エネルギー効率改善とTCO削減

 元々、SSDはHDDよりも消費電力が小さいが、ストレージ密度が高いことでさらに消費電力が削減される。10PBのストレージシステムを構築する際に、HDD構成とD5-P5336で構成した場合を比較すると、サーバー台数は1/10以下、エネルギーコストは約1/5になる。TLCの構成と比較しても、サーバー台数は1/2、エネルギーコストも20%低下する。

 サーバー台数が少なくてすむということは、ラック設置面積も削減できるので、その意味でもTCO削減に貢献する。さらに、廃棄する台数も減るので、環境負荷という面でもサステナブルだ。

 ホー氏は、「ドライブ数とサーバー数をより少なくすることでCO2の量が削減され、電力密度がより優れたものとなります。最も大切なのはコストが削減されることです。D5-P5336のドライブによるTCOのメリットからは、ストレージの選定がよりサステナブルにもなります。当社からはデータセンター用のより高密度の製品を提供し、これによってドライブとサーバーが削減されることになります」と説明。「また、将来に向けては、埋め立て廃棄やリサイクル、または再利用に取り組んでいく必要があります。それに対する私たちの回答は、設置面積を減らすことにより、データセンターの専有面積を減らすことができ、さらには多層階のデータセンターに拡張することもできます。高密度であれば電力密度も改善されて消費電力が削減され、データセンター業界もさらに成長できると言えます」と語った。

効率的なストレージはサステナビリティにも優れる