クラウド&データセンター完全ガイド:プロダクトレビュー DCを支える黒子たち

エッジからコア、クラウドまでを統合保護するバックアップソリューション――NetBackup 8.3

弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2020年秋号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2020年9月29日
定価:本体2000円+税

 Veritas Technologies(ベリタス)は、2020年7月28日、自社のビジョンであるEnterprise Data Services Platform(EDSP)の新たなイノベーションとして、「NetBackup 8.3」の提供を開始した。これにより、企業がリスクの低減、コストの最適化、ランサムウェアからの回復力の強化、大規模なマルチクラウド環境の管理を実現できるように支援する。

 また、あらゆる障害に対するアプリケーションとインフラの回復力を向上できるよう、企業への支援をさらに強化していく。EDSPの中核となるNetBackupを拡張し、Veritas Resiliency Platform(VRP)とCloudPointを追加したことで、データがどこに保存されていても保護やリカバリが行えることになり、高度で強力な回復性能を備えたエンタープライズ向け単一のプラットフォームを提供することができるようになる。さらに、単一プラットフォームによる標準化をハイブリッド環境およびマルチクラウド環境全体に広げることができるようになるため、システムのダウンタイムのリスクと影響が大幅に縮小し、ワークロード固有の単体製品が不要になるほか、大幅なコスト削減を実現できる。

 NetBackup 8.3では、NetBackupアプライアンスの強化によるランサムウェア対策の拡大、NetBackup Open Storage Technology(OST)の利用による改ざん不可能なストレージの実現、2,048ビットの暗号化をサポートするシームレスで安全なインフラの実現、サードパーティのキー管理システム(EKMS)との統合、ロールベースのアクセス制御(RBAC)の強化による柔軟性の向上と管理の簡素化を実現し、セキュリティと保護機能を向上させている。また、リカバリも向上され、継続的なデータ保護(CDP)によって、ゼロに近いリカバリポイント目標(RPO)と効率的なリカバリ時間目標(RTO)で仮想マシンの個別リカバリを実現し、回復力を強化している。

 Veritas CloudPointとの完全統合によって、AWS、Azure、GCPに対しても、堅ろうでクラウドネイティブな保護を実現。Azure Stack間やAzure リージョン間であっても、Veritas Resiliency Platformの完全統合によって、ボタンを押すだけでディザスタリカバリのオーケストレーションが可能となる。ハイブリッドクラウドやマルチクラウドでも、シームレスにワークロードとデータの移行が可能だ。

 EDSPを拡張することによって、オンプレミスからハイブリッド、マルチクラウドまでの環境全体でクラウドを保護し、ワークロード移行やディザスタリカバリを実現することで、管理ツールのサイロ化を解消することも可能となる。クラウドへの直接階層化によって、ストレージ効率の最大化、帯域幅要件の削減、インフラコストの低減を実現し、NetBackup CloudCatalystを使用して、複数のバケット、ストレージ階層、およびクラウド環境のデータを単一ノードから管理することができる。管理機能とレポート機能が統合され、ストレージコストの最適化、Veritas APTARE IT Analyticsによるインフラ可視性も強化されている。

 VMware vCenterやvCloudの検出が50倍高速化され、大規模な環境の検出時間を数時間から数分に短縮。リソースの自動検出と負荷分散によって、動的なNASデータ保護を25%高速化することで、特定ベンダーへの依存を排除することもできる。Microsoft SQL Server やOracle、Oracle Real Application Clusters(RAC)の大規模なディスカバリ、バックアップ、リストア、自動化を総合的に制御し、管理を簡素化することが可能だ。