クラウド&データセンター完全ガイド:特別企画
サーバが増えるほどに高速化する常識はずれのストレージシステムが登場
2014年6月30日 00:00
PernixData FVP
株式会社ネットワールド
サーバ仮想化が一般的となるなかで、従来のストレージがボトルネックとなって、仮想化環境のパフォーマンスが低下しているという声が増えてきた。ネットワールドの「PernixData FVP」は、ストレージを拡張することなく、安価にフラッシュメモリの性能を得られる画期的なソフトウェアである。
仮想化の普及に追いつけないストレージ
企業のITシステムにおいて、仮想化はスタンダードな技術となった。しかし、仮想化が普及するにつれ、大きな課題が浮上しつつある。ストレージのパフォーマンスだ。システム開発から時間が経ち、当初の想定とは異なる使われ方をするようになったり、負荷が増大したりして、ストレージが原因でシステム全体のパフォーマンスが低下しているケースが増えているのだ。
ネットワールドのマーケティング統括部 マーケティング1部 VMwareグループの三好哲生氏も、「当社は、仮想化市場で高いシェアを誇るVMwareのシステムを多数販売していますが、関連する問い合わせの70%がストレージのパフォーマンスに関するものです。サーバやハイパーバイザーの障害だと思ったら、ストレージの問題だったというケースもありました」と語る。
もちろん、ストレージを高価でハイパフォーマンスなものに拡張すれば解決できる。しかし、ROIが見合わず、低いパフォーマンスままで諦めているケースも多い。
そんな問題を解決するのが、米PernixDataのフラッシュ・ハイパーバイザー「PernixData FVP」なのである。
ストレージの性能と容量を独立させてスケールアップ
PernixData FVPは、VMwareのハイパーバイザーにカーネルモジュールとしてインストールする“フラッシュ・クラスタ・ソフトウェア”だ。サーバに搭載されたフラッシュストレージをプール化し、VMから発せられるすべてのI/O要求に割り込み応答することで、プライマリストレージを拡張することなくパフォーマンスを向上させることができる(図1)。
「PernixData FVPの最大のポイントは、ストレージの“パフォーマンス(性能)”と“容量”を切り離し、独立させることができるところにあります。パフォーマンスはサーバに搭載したフラッシュメモリのみに依存しますので、プライマリストレージは容量のみを重視すればよいことになります」(三好氏)
一般的なSANの場合、サーバが増えればI/Oが混み合うため、パフォーマンスは低下するのが常識であった。しかしPernixData FVPの場合、サーバにストレージ性能をオフロードしているため、台数が増えるほど速くなるという逆転現象が起きる(図2)。
従来のストレージの場合、容量か性能のどちらかに限界が訪れれば、それ以上使うことができない。数TB以上の容量が余っているのに、性能が追いつかないため増設せざるをえないケースもある。しかし、そこにPernixData FVPを導入すれば、余ってしまった容量を最大限に活用できるのだ。
ストレージハードウェアには、レプリケーションやスナップショットなどのインテリジェントな機能を持つものもある。PernixData FVPは、性能のみを切り離すものであるため、これらのデータサービスをそのまま活用できるのもポイントだ。
3分でインストール完了 設定変更はほとんどなし
似たようなシステムの例として、フラッシュメモリ専用のVMを稼働させ、他のVMのI/O要求をこの専用VMで受け付ける「仮想アプライアンス」と呼ばれる方法がある。しかしこの方法の場合、VMやネットワーク、ストレージに至るまで設定を変更しなければならない範囲が広く、バックアップの仕組みも見直さなければならない。
一方、PernixData FVPはVMwareのカーネルにインストールされ、I/O要求に割り込んで働くため、設定は一切変更する必要がない。「慣れてしまえば、3分でインストールを完了できるほど」(三好氏)だという。さらに、VMware自身の設定も変更することなく、vMotionやvCloud、DRS、HAなどの機能をそのまま利用することができる。
「PernixData FVPは、VMのライブマイグレーションを検知して、データを移行先のマシンへ自動的に転送します。移行直後でも、カーネル通信で元のデータにアクセスするため、遅延は最小限ですみます」(三好氏)
もう1つのポイントは、読み取りだけでなく書き込みも早い点だ。類似製品の中には、書き込みはプライマリストレージに直接アクセスさせ、読み込みだけフラッシュストレージを活用する「Write Trough」という方式を採っているものがある。データ保護という点では比較的容易な実装方法であるが、書き込みのパフォーマンスは従来と変わらない。
一方、PernixData FVPは、必ずフラッシュストレージにアクセスさせる「Write Back」方式のため、読み込みも書き込みも優れたパフォーマンスを発揮する。その代わり、VMからデータが書き込まれた時点で、別のサーバのフラッシュメモリにもデータをコピーすることで、万が一のサーバダウンに備えている。
この実装は、特に遅延の低減に効果があり、プライマリストレージに比べると10倍以上の改善が見込める。特にデータアクセスの多いアプリケーションの場合、数十倍のパフォーマンス向上が実現した例もあるという。
PernixData FVPで5倍以上のパフォーマンスを実現した事例
セガネットワークスでは、ネットワークゲームを多数提供しており、ストレージのパフォーマンスが課題であった。従来は高速なフラッシュメモリを搭載した物理サーバで、データをフラッシュメモリ上に格納することで対応していたが、コストが負担となっていた。PernixData FVPを導入することで、ローエンドストレージを使っても5倍以上のパフォーマンス向上を実現し、フラッシュメモリをデータストアとして活用するのと同等の性能を発揮できているという。
米タイドランド銀行では、iSCSI-SANをプライマリストレージとしたVDIシステムのパフォーマンス低下が課題であった。そこにPernixData FVPを導入したことにより、5倍以上のIOPS性能が得られ、VDIレイテンシーは80%以上も低減したという。夜間に行っていたSQLサーバのバッチ処理についても、これまで6時間かかっていたものが30分程度に短縮できたとのことだ。
「この銀行では、高いROIを実現できたことも評価しています。従来のSANならば1,000万円規模の投資を必要としていたものが、170万円程度まで削減できたとのことです」(三好氏)
PernixData FVPは、無料の評価版も用意されており、既存のシステム設定を変更することなく、簡単にインストールができる。ぜひ検討してほしい。
お問い合わせ先
株式会社ネットワールド
評価版、製品についてのお問い合わせ:pernixdata-info@networld.co.jp
製品に関する情報:http://www.networld.co.jp/pernixdata/
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