クラウド&データセンター完全ガイド:データセンターサービスガイド
SCSK――25年のデータセンタービジネス集大成 SCSKが「千葉第2センター」オープンへ
2014年12月20日 00:00
netXDC
SCSK
http://www.scsk.jp/
多様な基盤インテグレーションと高度なソリューション群を組み合わせて複合的なITマネジメントサービスを提供するSCSKが、2015年2月、千葉に新しいデータセンターをオープンする。同センターは、安全なロケーションや強固なファシリティーを前提として備えながら、システムインテグレーションを絡めた高度な運用サービスの提供で他社との差異化を図る。
ITアウトソーシング利用を主目的とした郊外型データセンター
SCSKは、保有するデータセンターを広域ネットワークで接続し、システムインテグレーションから運用サポートまでを組み合わせたサービスを「netXDC」ブランドで提供している。
netXDCは、関東圏と関西圏それぞれに、都市型と郊外型のデータセンターを合わせて8つ展開している。郊外型は、都市部からのアクセスも良い千葉県印西市にある千葉センターと兵庫県三田市にある三田センターとなり、ユーザー企業のITアウトソーシングの受け入れ拠点となっている。今回、千葉センターの満床が近づくなかで、SCSKは隣接する用地を取得し、千葉第2センターの建設を開始、2015年2月のオープンを予定している。第2センターの運用についても、既存の千葉センターの経験豊富な人的リソースを共有していく方針で、立ち上げ時から高い品質の運用サービスの提供を実現させる。
東日本大震災でも証明された安全性の高いロケーション
現在、第2センターを建設中の千葉県印西市は地盤的に強固で40km圏内に主要活断層が無く、水辺からも遠い。周囲には10を超える金融関連などのデータセンターが集中する地域だ。同地区では共同溝で電力等を供給しており、電柱もなく、インフラのセキュリティも強固だ。建屋免震の千葉センターは東日本大震災時には震度6弱の揺れに見舞われたが、一切のサービス停止なく運用を継続できた。第2センターでは、従来採用してきた水平免震に加え、縦揺れを抑制する制震ダンパーを各フロアに設置、250gal以下への急速な減衰を可能にしている。
「郊外型であるため、都市型では用地不足で困難な発電用燃料の無給油72時間運用できる備蓄を実現しています」と、ITマネジメント事業部門 netXデータセンター事業本部 新棟準備室プロジェクト推進課長の森田隆夫氏が説明するように、万一の電源喪失に対する備えも万全だ。
千葉第2センターは地上6階建、延床面積は約15,600m2、サーバールームは4フロアでトータル約4,000m2、1.600ラックの収容が可能だ。従来の1.3倍のラック収容力を実現している。
ラックあたりの実効電力平均は4kVAで、フロアでは最大3,200kVAをオプションで可能にするなど、クラウド提供などのニーズにも対応できる。空調面では外気冷却を取り入れるなど環境配慮型のデータセンターを目指し、PUEは1.3を目標値としている。
電源は2系統ループ受電とブロックリダンダント方式のUPSを採用し、万一の障害時における稼働可用性を担保する。
長年のアウトソーシング経験で培われたITILベースの運用価値の提供
netXDCの一番の強みと特長は、SCSKの高い基盤構築技術力とITサービスのライフサイクルマネジメントを意識した高い運用ノウハウによるシステムインテグレーションを絡められる点にある。ITマネジメント事業部門 netXデータセンター事業本部長の宮川正執行役員は、「データセンターサービスにとって、十分なファシリティーを備えるのは当たり前であって、ことさら強調することではないと考えています。むしろ、お客様の業務コストへの影響を、アウトソーシングによりサービスレベルをコントロールして、どう抑制できるか、業務改善が可能であるかを私たちの提案のポイントにしています」と力説する。
同社の運用サービスのメニューは、機器監視や手順化されたオペレーション対応などを24時間365日体制で提供する「ベーシック運用サービス」と、SEによるクリティカルな運用を提供する「アドバンスド運用サービス」をそろえている。それらをITILベースに独自に開発したITサービス管理基盤「HEARTILマネジメントセンター」にて管理し、お客様への貢献を果たしている。
また、ハウジングに加え、個々のユーザーニーズに適合するクラウド環境をハイブリッドに提供する高品質なクラウド基盤「USiZE」も提供する。お客様サイトに常駐するオンサイトITサービスも提供しており、データーセンター収容と組み合わせたハイブリッド型の運用が可能だ。常駐スタッフはお客様サイトで単に運用を代行するだけでなく、運用の「見せる化」に注力する。
「ブラックボックスになりがちな運用サポートをお客さまに見えるようにするため、さまざまな手法でITサービス品質と課題、貢献度を可視化しています。お客様とともにハイブリッド化なども考え改善・進化のPDCAサイクルを回していきます」と、ITマネジメント事業部門 基盤インテグレーション事業本部の中村祐也氏は説明する。 現行のnetXDCのユーザーは、金融が40%、産業インダストリーが40%、そのほか公共や通信など、ほとんどが上場企業であり、情報システム部も明確なポリシーやルールを持っている。その上で安定した運用とTCO削減を行いたいというのがデータセンターの利用動機であり、それに寄与していく提案が要求される。SCSKでは、高度なマネジメント能力と基盤構築技術で、お客様に“安定したITサービスの「証明」”と“進化し続けるITサービスの「実現」”を提供し、お客様ビジネスの価値を創造していく。
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