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NTTPCが、低コストで手軽に利用できるセキュリティ監視サービスを7月スタート――NTTPCコミュニケーションズ

セキュリティ監視サービス
NTTPCコミュニケーションズ
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セキュリティ対策の重要性はよくわかっているが、コストや人員の問題でなかなか進まない――。こんな悩みを抱える企業は多いだろう。NTTPCコミュニケーションズが7月から順次提供を開始するセキュリティ監視サービスは、同社のハウジングやホスティング、クラウドサービスのオプションサービスだ。共用型で提供価格を抑え、かつ有人監視も装備された、充実のセキュリティ監視サービスだ。

セキュリティ対策の障壁となるコスト、手間、スキルの問題を解決

 セキュリティ対策が不要という企業は存在しないだろうが、実際にどれだけのコストや人員を割けるかは、それぞれの企業によって異なるところだ。

データセンタ事業部 エンタープライズサービス部 データセンタサービス担当 主査 大久保敦史氏(前列右)、データセンタ事業部 エンタープライズサービス部 プラットフォーム担当 課長代理 戸田達也氏(前列左)、データセンタ事業部 エンタープライズサービス部 プラットフォーム担当 日比野裕樹氏(後列左)、データセンタ事業部 エンタープライズサービス部 ハウジング担当 細谷仙子氏(後列右)

 NTTPCコミュニケーションズ データセンタ事業部 エンタープライズサービス部 データセンタサービス担当 主査の大久保敦史氏は、「お客さまからインターネットからの保護を対象としたセキュリティ対策についての問い合わせが増えています。また、ハウジングやホスティングサービスでシステムを構築する際に、IDS/IPS、WAFなどの導入を要件としてあげられるお客さまも多くなっています」と、セキュリティ対策へのニーズが高まっていることを指摘する。

 実際に、不正アクセスなどの攻撃を原因とする情報漏えいは後を絶たない。いったん事故を起こしてしまうと、マスコミにも取り上げられ、被害者への賠償金などが必要となるケースもある。さらには、ブランドイメージが低下したり、その他の製品、サービスにも風評被害がおよんだりするなど、ビジネスの継続に影響を及ぼすことさえある。それでもなお、セキュリティ対策が進まない現状には原因があると大久保氏は言う。

 「セキュリティ対策が進まない主な理由は、コスト、手間、スキルの3つです。しっかりとしたセキュリティ対策を自社で行おうとすると、高価な機器を購入しなければならないうえ、そのチューニング作業など担当者の負担が大きく、疲弊してしまうのです。また、外部のセキュリティサービスを利用しようにもコストが高く結局行きづまってしまいます」と大久保氏。

 こうした課題を解決するために、この夏、NTTPCコミュニケーションズが提供を開始するのが、「セキュリティ監視サービス」だ。

実績あるセキュリティ機器の機能を月額料金で利用できる

 NTTPCコミュニケーションズが7月から提供を開始するセキュリティ監視サービスは、ゲートウェイ型のセキュリティ監視装置を用いて、インターネットからの不審な通信を検知/遮断し、ユーザー企業に通知を行うというものだ。ファイアウォール、IDS(侵入検知システム)/IPS(侵入防御システム)、WAF(Web Application Firewall)といったセキュリティ監視・防御機器をサービスとして利用できる。同社が提供するハウジングサービス「WebARENA Symphony」、ホスティングサービス「WebARENA 専用サーバー」、プライベートクラウドサービス「Biz-agoraクラウドコンポーネント」のオプションとして利用することができ、7月より各サービスで順次提供を開始する。

 同サービスは大きく分けて2種類が用意されている。サービス標準の仕様で価格を抑えた「共用型」と、要件に合わせてカスタマイズできる「専用型」だ。

 共用型は、1Gbps共用のインターネット回線に共用ファイアウォールをベースとして、ニーズに応じてIDS/IPS、WAFのどちらか、もしくは両方を選択することができる。IDS/IPS、WAFの機能を提供する「ブロンズ」、IDS/IPS、WAFの機能に加え、提携SOC(Security Operation Center)と連携した通知、月次レポートを標準で提供する「シルバー」の2メニューがある。価格はブロンズが月額3万円(税別)から、シルバーが月額6万5000円(税別)からを予定している。

「共用型」 2メニューの料金・仕様

 「共用型は低コストでご利用になれるメニューです。この価格帯で24時間365日の有人監視サービスがついているのは類を見ないと思います。これまでコストや運用の問題で手が出なかったというお客さまに適しています」(大久保氏)

 サービス提供に予定されている機器は、ファイアウォールがフォーティネット社の「FortiGate」、IDS/IPSがマカフィー社の「Network Security Platform」、WAFはF5ネットワークスの「BIG-IP Application Security Manager」だ。これらの製品が提供する機能をサービスとして利用できる。

 「機器は当社での運用実績などをベースに、実際に利用して、使い勝手や機能に満足行くものということで選定しました。もちろん、これらの機器は全て冗長化されており、高い可用性をもったサービスとなっています」と話すのは、同社データセンタ事業部 エンタープライズサービス部 プラットフォーム担当の日比野裕樹氏だ。

導入の手間がかからないセキュリティ対策

 「煩わしい設定や、導入後のメンテナンスなどは必要ありません。水道の蛇口に浄水器を設置すれば、簡単にろ過された水が使えるように、このサービスをオプションとしてお申し込みになることで、手間をかけず安全なインターネット通信をすぐに利用することができるのです」と、同社データセンタ事業部 エンタープライズサービス部 ハウジング担当の細谷仙子氏はセキュリティ監視サービスを例える。実際、すでに同社のハウジングサービスを利用している場合には、同社のネットワーク接続工事を行うことでスムーズにセキュリティ監視サービスを利用開始できるという。

セキュリティ監視サービスの利用イメージ(ECサイトにWAFを導入した場合)

より高度な「専用型」も提供 今後はマルチクラウドにも対応

 同サービスを主に必要とするのは、個人情報や機密情報、クレジットカード情報などを取り扱うシステムを利用している企業であり、多くの企業が該当するだろう。同社は、セキュリティ監視機器の機能だけを利用したい、スモールスタートでセキュリティ対策を始めたいという場合には共用型のブロンズを、さらに、提携SOCと連携した通知や月次レポートを活用してセキュリティ対策を強化したいという企業にはシルバーの導入を提案していく。

 なお、「専用型」は、セキュリティ監視機器を個社ごとに用意し、ポリシーやシグネチャの設定についても個別のカスタマイズに対応する。提携SOCとの連携は「共用型」と同様で、ワンストップでの支援を受けることが可能だ。

 「当社のネットワークサービス、ハウジングサービス+クラウドサービスといったハイブリッド環境でも一元的にセキュリティ対策を実現することができます。今後は、複数のパブリッククラウドサービスを利用したマルチクラウド環境でも、一元ポリシーによるセキュリティ監視が可能なサービスへと拡張していきます」と大久保氏は今後の展望を語った。

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