クラウド&データセンター完全ガイド:データセンターサービスガイド

ユーザーの多様なビジネスを支えるカゴヤ・ジャパンの京都データセンター新棟が2014年6月にオープン――カゴヤ・ジャパン

KAGOYA DC+
カゴヤ・ジャパン

カゴヤ・ジャパンのデータセンター新棟オープンが6月に迫っている。既存棟と新棟の連結で700ラック近い収容が可能となり、京都圏最大規模のデータセンターとなる。ハウジングに注力するとともに、同社の誇るサポート体制と柔軟なカスタマイズを可能にするサービス群で、BCP/DRも含めた多様なニーズに対応していく。

京都圏最大規模のデータセンターオープンに向けて

データセンター外観イメージ

 関西文化学術研究都市(京都府相楽郡)にあるカゴヤ・ジャパンの自社データセンターの新棟建設が、6月のオープンに向けて進んでいる。

 2006年に開設した252ラック収納可能な既存データセンターの満床が近づいてきたため、440ラック収容可能な新棟の工事が開始された。今回の工事は既存のA棟に隣接する形で新しいB棟を建設し、この間を連絡通路で結ぶため、厳密には新設ではなく増設・増築ということになる。完成すれば、700ラック近い収容力を持つ京都圏最大規模のデータセンターが誕生する。

 すでにB棟の建物自体はほぼ完成し、2月後半からは受電を開始、ラインを接続して耐電圧試験などのテストに入る予定だ。

 今回の建設にあたって、従来は高圧受電方式だったものを特高の2系統受電に強化し、空調については冷却効率に優れた壁吹き出し方式を採用、ホットアイル・コールドアイルやフリークーリングと組み合わせることでサーバー以外の消費電力を抑制し、PUEの向上を図っている。これにより、ラック平均4kVA(最大8kVA)の給電が可能になっている。さらに、昨今のサーバーの高集積化傾向に対しては、床荷重1.3t/m2とすることで応えている。

セールスグループセールスチーム 國府裕之氏

 また、ネットワークの面でも、従来から余裕を持たせて拡張してきたバックボーンの帯域も2倍程度まで増設し、前倒しで受け入れ準備を進めている。

 新棟ではハウジングユーザーから要望の多い、作業用スペースや常駐用レンタルルームも提供し、大型ハウジング案件にも対応できる。

 すでに同社では、先行して紹介や問い合わせベースの営業を進めているが、セールスグループセールスチームの國府裕之氏は、「6月のオープンに向けて、新しいデータセンターの魅力を、より積極的にアピールしていくつもりです」と抱負を語る。

立地のよさを生かして高度なリスクヘッジを実現

セールスグループマネージャー 猪俣成寿氏

 同データセンターは郊外型だが、大阪・京都市内からは電車で45分、高速を利用すれば30分程度でアクセス可能な利便性の高いロケーションだ。地震が少なく、水害も考えづらい立地であるため、関東の企業はもちろん、大阪や名古屋、博多などの企業に対しても、BCP/DRで目的での利用を訴求していく。実際に、システムやデータの分散化によるリスクヘッジを考えての問い合わせは多いそうだ。

 「立地としては、都心から近過ぎず、遠すぎない点が評価されています。災害によっては船や飛行機の利用が難しいケースも考えられ、そんなときにもアクセスしやすいこともメリットととらえられているようです」とセールスグループマネージャーの猪俣成寿氏は説明する。

 大都市の多くは海が近い。地震対策のデータ避難先としては内陸に位置することの評価が高いようだ。さらに、万が一海岸線沿いにひどい災害が発生した場合、同データセンターには太平洋側からでも日本海側からでも到達することができる。

 業種で見ると、特に製造業でBCP/DRのニーズが大きいという。ただし、ユーザーごとに要望は異なるため、相談ベースでメニューを柔軟にカスタマイズして対応しているそうだ。

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サポート体制も強化し多様なニーズに迅速に応える

セールスグループセールスチーム 森明義氏
セールスグループ営業支援チーム サブリーダー 徳松大地氏

 今回の工事で、従来A棟の1階にあった監視室をB棟の2階に移した。サーバールームは各棟の2階にあるため、2階を連絡通路で結び、監視室にいる保守要員がサーバールームに行く時間を短縮し、障害対応の効率化を図っている。監視室とサーバールームを何度も往復するような作業が必要な際にも、迅速な対応が可能になった。

 また、24時間365日の入館申請が可能な有人受付も新棟側に異動し、効率的運用を図っていく。

 「ハードウェア障害などの緊急時でも、機材を送って当社に代行を依頼していただくという方法もあります」と、セールスグループセールスチームの森明義氏は説明する。

 「ハウジングサービスでも、サーバーのキッティングからすべての作業を依頼されるケースも少なくありません」と、セールスグループ営業支援チームサブリーダーの徳松大地氏も使い勝手の良さを強調する。

ハウジングのカスタマイズを実現する多様なサービス

 ユーザーニーズはさまざまだ。ハウジングでの提供形態は1/4ラックからだが、なかには1台だけ施錠できるラックにハウジングをしたいといった要望もある。「1/4ラックでも8~9台のサーバー収容が可能なため、このケースでは専用レンタルサーバーのご利用を提案しました」と森氏。

 カゴヤ・データセンターでは、従来、専用レンタルサーバーがラックの9割を占めている。B棟ではこの比率を下げ、7~8割程度に抑える予定だ。だが、レンタルサーバーは、ハウジングの利用客にも多く利用されており、ハウジングユーザーの半分近くが専用レンタルサーバーとの組み合わせで利用している。

 「機器もすべて自前というお客さまは、クラウドの浸透とともに減少しています」(猪俣氏)

セールスグループ営業支援チーム 藤田貴行氏

 さらに、同社では仮想化サーバーのサービスも提供しており、最近、人気が高まりつつある。

 「サーバーの高集約化というニーズに対応し、ホストサーバー2台と専用ストレージ3.6TB、100M共有回線にVMware vSphere 5 Standardの正規ライセンスをセットにした『VMwareパッケージ』を低価格で提供するサービスを用意しました。仮想サーバーもハウジングとの有効なブリッジになります」とセールスグループ営業支援チームの藤田貴行氏は語る。

 6月のオープンに向けては、ハウジングメニューの大幅な改定も進められているという。すでに多くの商談が進んでおり、なかには平日停止が困難なシステムも少なくないため、8月のお盆休みにはリプレース作業が最初のピークを迎えそうだ。

お問い合わせ先

カゴヤ・ジャパン株式会社

0120-738-999(平日10:00~22:00、土日祝10:00~17:00)

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