クラウド&データセンター完全ガイド:データセンターサービスガイド

高信頼のファシリティと高い運用サポート力が強み 災害リスクの低い札幌にHOTnetが新データセンターを開設

データセンターサービス
北海道総合通信網
http://www.hotnet.co.jp/datacenter/

 北海道総合通信網(HOTnet)が2017年9月、札幌に開設した都市型データセンターが「S.T.E.P 札幌データセンター」だ。アクセス性に優れる一方、災害リスクが低い絶好のロケーションである札幌に開設された同データセンターは、最新鋭のファシリティと高度なセキュリティを実現。さらに、通信事業者としての強みを生かした広帯域のバックボーン接続、キャリアダイバシティ、マルチクラウド連携の提供に加え、同社が長年培ってきたノウハウに基づく柔軟な運用サービスを用意している。

サービスメニューの拡大と利用者増に伴い新データセンターを設立

 北海道電力グループの北海道総合通信網(以下、HOTnet)は2017年9月、札幌に500ラック規模の新データセンター「S.T.E.P 札幌データセンター」を開設した。

 取締役 営業統括部長を務める佐藤哲夫氏は、「近年、顧客の求めるサービスレイヤーがIaaS/PaaSと広がりを見せています。HOTnetもS.T.E.Pというブランド名でネットワークからホスティング、クラウド、SaaSなど多彩なサービスを展開してきました。しかし、サービスメニューのさらなる広がりとユーザー増に伴い既存ネットワークセンターのキャパシティが限界に近づいてきたこと、そして、今後も市場環境の変化にスピード感をもって対応するサービスを展開していくためにも、その軸となるデータセンターの構築は不可欠だったのです」と、開設に向けた背景を説明する。

北海道総合通信網株式会社 取締役 営業統括部長の佐藤哲夫氏

 また、営業統括部 営業開発グループ グループリーダーの湊雄一氏も「一方、東日本震災以降、災害対策(DR)やバックアップのニーズが急増する中、災害リスクの低い札幌に本格的なDR/BCP対策が可能な設備を有するデータセンターをオープンすることで、道内だけでなく道外の企業にも利用してもらえると考えました」と話す。

北海道総合通信網株式会社 営業統括部 営業開発グループ グループリーダーの湊雄一氏

自然災害リスクの低い立地に最新鋭のファシリティを整備

 床面積で約1500平方メートル、約500ラックを収容可能なS.T.E.P 札幌データセンター。その優位性の1つは、全国各地からのアクセスに優れたロケーションにある都市型データセンターでありながら、電源不足や災害リスクも低い地方型データセンターのメリットも享受できることにある。

 札幌は東京・名古屋・関西・福岡方面から1日114便の航空便が運航しており(2017年9月現在)、新千歳空港から札幌駅までも快速列車を利用し約37分。S.T.E.P 札幌データセンターへは札幌駅から地下鉄で約20分、最寄り駅から徒歩15分以内で到着可能だ。

S.T.E.P 札幌データセンターの内観。500ラックを収容可能なサーバールームのほか、ワークスペースなどを完備する

 自然災害についても、札幌市自体、今後30年間に震度6弱以上の地震が発生する確率は0.1~3%、台風の到来も年間平均1.8回であるほか、最も近い沿岸部から15km離れた位置にあることから、被害を受けるリスクも非常に低い。

 対してファシリティも万が一の災害発生に備え、耐震強度 震度7に対応する免震構造を採用。安全性と信頼性に優れた電源設備も北海道電力グループならではの強みで、受電設備は異なる変電所から本線・予備線の特別高圧2系統が受電可能だ。また、非常用発電設備もN+1の冗長構成を採用しているほか、72時間の無給油連続運転時間を可能とする自家発電装置が用意されている。

 セキュリティ面についても24時間365日の有人監視体制に加え、監視カメラ、セキュリティゲート、ICカード認証、生体認証、共連れ防止などの仕組みによる7段階のセキュリティ、手のひら形認証によるラックの解錠といった、Tier4準拠のセキュリティ基準を備えている。

 ネットワークについても通信事業者としての優位性が発揮されている。100Gbpsの回線を異なる局・経路で2ルート引き込んでおり、冗長化された信頼性の高い通信環境を実現。また、東京~札幌間のネットワーク接続についても、20Gbpsの速度を有し、かつ、二重化されたバックボーンとなる首都圏でのアクセスポイント「TOKYO Connect」を用意、距離の問題を解決している。

距離をデメリットにしない~東京~札幌間の高速な通信環境を提供する「TOKYO Connect」

 さらに「Multi Connect」により、オンプレミスとS.T.E.P 札幌データセンター内に構築したプライベートクラウド環境、HOTnetの多彩なクラウドサービスとの接続のほか、他社クラウドサービス、データセンターとのハイブリッド接続も可能だ。

 湊氏は「もとより当社は通信事業者として、光ファイバー網を中軸にデータセンターとユーザー拠点までを接続する多彩なネットワークサービス提供していました。そうした出自から、ネットワークサービスについても工期、コスト面で競争優位性を発揮できると自負しています」と訴える。

「Multi Connect」により、他社クラウドサービス、データセンターとのハイブリッド接続も可能

長年培ってきた運用サポート力を強みに個別ニーズに対応する柔軟なサービスを提供

 そしてHOTnetが最も強みとするのは、同社が長年の通信/ITサービスの提供で培ってきた運用サポート力だ。

 佐藤氏は「先にも述べたように、当社は通信事業者として24時間365日、安定したサービスを継続するための監視設備、組織、そしてノウハウを持っています。さらにネットワーク全体の設計管理から拠点のサーバー環境までもサポート可能な、トータルでの運用力をお客さまから高く評価されています」と強調する。

 学術機関向けネットワークである「SINET5」との接続実績や、総合行政ネットワーク「LGWAN」のサービス接続事業者として認定されていることは、その評価の現れと言えるだろう。

 S.T.E.P 札幌データセンターではそうした高い運用力を基軸として、単なるホスティングやコロケーションにとどまらない、企業の個別ニーズに柔軟に対応したプライベートクラウド環境の構築も推進していく構えだ。

 今後、S.T.E.P 札幌データセンターでは道内の企業だけでなく、システムインテグレーターとのパートナーシップにより、道外の企業についてもバックアップサイトとしての利用にとどまらず、本番サイトとしての活用を促進していきたいという。

 湊氏は、「首都圏の企業に対しては、TOKYO Connectをより利用しやすいようにコスト面を含め、さらに強化していきたいと考えています。また、当社の強みであるネットワークに関してもSDNのテクノロジーを取り入れ、より利便性の高い仕組みを実現していきたいですね」と訴える。

 最後に佐藤氏は「札幌に対するイメージですと冬の厳しい環境を想像しがちですが、実際に来ていただければ地理的な良さをご理解いただけると思います。S.T.E.P 札幌データセンターでは、現地見学のご希望も随時お受けいたしておりますので、どうぞお気軽にご連絡いただき、ホスピタリティにも優れた最新鋭の設備を一度、実際にご体感いただければと思います」とアピールした。

S.T.E.P 札幌データセンターのホスピタリティを象徴するラウンジ

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