事例紹介
部門間の障壁を「Zoho CRM」で取り除き、経営加速へ~明和地所住宅流通
「仲介」「賃貸」「物販」の3部門で情報共有
(2014/10/22 06:00)
導入後3カ月で全体最適化の成果も
こうして個別最適化に成功し、次に進めたのが部門間の情報共有である。2014年7月にZoho CRMを導入してから、取材時で3カ月。「すでに部門間の情報共有も回り始めています。縦割りから、横に2~3本串が刺さったような感じです」(木村氏)。
例えば、仲介を依頼した顧客からさらに別の案件がもらえるかもしれない。クリオマンションを購入した顧客が仲介を依頼するかもしれない。このように担当部門が変わるような場合も、情報共有できていれば、予算感などの状況が事前につかめる。商談が長くなるとうまくいかない確率が上がるというが、情報共有することで部門をまたがる案件も商談がスムーズに運ぶ。
「すでに売買や賃貸ではじまった案件がほかの部門で成約した事例も出ています。不動産業という性質上、必ず部門間で共通のお客さまがいるはずなので、データ共有で今後も相乗効果を出していきたい。また、新築して5年後、10年後に売却したいという長期スパンのお客さまをフォローできる体制にもなっています。その実績が出るのはまだこれからの部分もありますが、こうしたことは今まで手段がなかった。それが“やろうと思えばできる”体制になったことは大きいです」(木村氏)。
さらに、東京本社と横浜の2拠点間でも情報共有によって細かい話が通じやすくなった。「今後は共有されたデータを管理職が活用していけるよう、情報共有で何ができるか定期的に打ち合わせを開くなど、さらにすりあわせていきたいと思っています」と木村氏は今後を語る。
情報共有が成果を見せ始めたことを背景に、同社では12月に売買仲介の新店舗を川崎・海老名に出店することになった。より顧客に近づき、税理士やフィナンシャルプランナーから不動産にまつわるさまざまな情報も提供し、少しでも不安を減らそうというのが新店舗の狙い。特に海老名はオシャレな外観で、カフェと間違えてフラって入ってきても良いような店づくりを進めているという。
「全体最適化により、経営のスピードも促進されました。情報共有なしではとても不可能でした」。そう木村氏は述べている。