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ピュア・ストレージ、オールフラッシュの垂直統合インフラ製品「FlashStack」を年内にも国内発売へ
FlashArrayシリーズのメリットを統合インフラ製品にも
(2015/11/25 06:00)
エンタープライズ向けオールフラッシュストレージのベンダーである米Pure Storageは、2014年12月に米国で、コンバージドインフラ(垂直統合インフラ)製品「FlashStack」を発表した。
このFlashStackについて、日本法人のピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(ピュア・ストレージ)は24日、米本社の製品担当副社長であるマット・キックスモーラー(Matt Kixmoeller)氏を招いてプレスラウンドテーブルを開いた。
なお、FlashStackは日本では未提供。ピュア・ストレージによれば、年内をめどに代理店経由での提供開始を予定しているという。
「コンバージドインフラの差別化ポイントはストレージ」
FlashStackは、Cisco UCSサーバーと、Cisco Nexusスイッチ、仮想化のVMware vSphere、そしてPure Storageのフラッシュストレージをパッケージングしたコンバージドインフラだ。この構成についてキックスモーラー氏は、「いままでのコンバージドインフラは、ほぼ同じようなコンピュータとネットワーク、ハイパーバイザーの組み合わせだった。差別化ポイントはストレージにある」と主張した。
FlashStackは当初、仮想サーバー向けと、VMware Horizon ViewまたはCitrix XenDesktopによる仮想デスクトップインフラ(VDI)向けの、2つの分野を主なターゲットとしてスタートした。2015年11月にはさらに、基幹システム向けに「FlashStack for Oracle」および「FlashStack for SAP」がリリースされた。
キックスモーラー氏は競合製品に対するFlashStackの特徴として「Simple(簡素化)」「Flexible(柔軟性)」「Efficient(効率化)」「Lowest TCO(低コスト)」の4点を挙げる。
簡素化としては、管理を簡素化し、さらにVMwareやUCSの管理ツールに統合している点がある。「Pure Storageの究極の目標は、企業にストレージ専門の管理者が必要ないようにすることだ」とキックスモーラー氏は語った。
柔軟性としては、構成の自由さが挙げられた。最小セットで導入して後から拡張できるほか、すでにUCSサーバーを導入している企業がPure Storageのストレージなどを追加してFlashStackにすることもできるという。個別に導入する場合との違いとしては、エンドツーエンドで検証されている点や、1つの問い合わせ先で全構成要素をサポートできることをキックスモーラー氏は説明した。
効率化と低コストとしては、オールフラッシュに移行することでストレージ機器の数を減らし、ラックや床面積を減らせることが挙げられた。また、前述した最小セットから導入できる点も低コストのポイントとして強調されている。なお、FlashStackの販売先として、すでに導入されているディスクストレージベースの他社製コンバージドインフラの入れ替えも多いという。
キックスモーラー氏は、NutanixやVMware EVO:RAILなどのハイパーコンバージドインフラとFlashStackとの違いについての質問に「ハイパーコンバージドインフラはリモートオフィスのような用途で使われることが多く、SAPのようなミッションクリティカルシステムではあまり使われない。FlashStackには、信頼性や実績、大規模に対応できる拡張性がある」と主張した。
また、Oracle Databaseを対象としたシステムとしてOracle ExadataとFlashStack for Oracleとの違いについての質問には「潤沢な資金があってすべてOracle製品というのであればExadataでもいいだろうが、そのような企業は限られている。またFlashStack for Oracleでは、より柔軟に、さまざまなアプリケーションの高速化にも利用できる」と述べた。