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クレジットカード入会審査の自動審査率を大幅に向上、UCSがProgress Corticonを導入

 株式会社アシストは16日、株式会社UCSが、アシストが国内総販売代理店を務めるビジネスルール管理システム(BRMS)の「Progress Corticon」を採用したと発表した。UCSでは、クレジットカード入会審査システムのビジネスルール管理エンジンとして利用している。

 UCSは、総合スーパーの「アピタ」「ピアゴ」、コンビニエンスストアの「サークルK」「サンクス」などを運営するユニーグループの金融サービス会社。クレジットカード事業、電子マネー事業、保険代理業、リース事業などの金融サービスを展開している。

 そのUCSでは従来、スクラッチ開発でクレジットカードの自動審査を構築し、基幹システムに組み込む形で運用していた。しかし、貸金業法などの法改正によって審査基準が変更されると、そのたびに基幹システム側の改修を改修しなくてはならず、多額のコストと時間がかかってしまっていた。

 そのため、あえてシステム改修せず担当者が手作業で審査対応をフォローしたところ、業務量が増大し、自動審査率が大幅に落ち込んでしまったという。また、法改正により残高系商品市場が縮小する状況のもと、審査結果の妥当性を確認することが新たな課題として浮上してきた。

 入会審査ワークフローシステムの更改を機に、Progress Corticonをルール管理エンジンに採用し、新たな入会審査ワークフローシステムを構築した。これにより、従来は基幹システムで行っていた自動審査をサブシステム側で行えるようになったという。

 新システムでは、審査基準が変更されても、プログラム変更ではなく、与信担当の責任者がGUI画面の操作で対応できるようになったため、従来掛かっていた約1カ月の開発期間と数百万円のコストを大幅に圧縮できたとのこと。

 また、申し込みデータの事前チェック(入会申込書の不備、記入漏れ、書類不足)にもルール管理エンジンを活用したことで、審査前の業務が効率化し、審査業務のミスを削減できた。従来は8%ほどだった自動審査率が、実質70~80%と大幅に向上し、人手による審査業務量がおおよそ半分になったそうで、その結果、審査精度の向上とカード発行期間の2日程度の短縮を同時に実現している。

 なおUCSでは、入会審査システムの構築に合わせて導入したBIツール「QlikView」を活用し、審査業務を通じて蓄積した膨大なデータを分析することで、審査精度の向上や、新規会員の獲得、収益向上をめざす改善活動を進めている。

石井 一志