カスペルスキー、ゲーム形式でサイバー攻撃対策を学ぶ「KIPS」

　株式会社カスペルスキーは17日、ボードゲームとオンラインアプリケーションを組み合わせた対サイバー攻撃演習サービス「Kaspersky Industrial Protection Simulation（KIPS）」を、3月20日より本格提供開始すると発表した。製造業や重要インフラ事業者などを対象に、トレーニングパートナーの株式会社MHPSコントロールシステムズから販売される。

　KIPSは、サイバー攻撃による重要インフラへの影響をゲーム形式で体験しながら、システムの運用上のリスクや投資に見合った有効な対策を学習できる対サイバー攻撃演習サービス。参加者は数名ずつのグループに分かれ、条件や指示が書かれた30枚のカードと決められた予算、作業時間を有効に使いながら、サイバー攻撃を受けている水処理施設を守るための効果的な対抗策を実施する。

　5週間の仮想期間内で、最も高い生産高を維持したチームが勝利するというゲーム性を持たせつつ、ゲーム終了後には、攻撃者のシナリオと各チームの打ち手を比較。どのような対応が適切だったかなどを説明することで、参加者全員がゲーム上で発生した事象に対する考察と理解を深められるという。

　これまでに、米国、ロシア、マレーシア、英国など10カ国以上ですでに提供され、2015年2月には、欧州原子核研究機構（CERN）でもゲームが実施されたとのこと。日本でも2014年5月より一部で試験提供が開始され、参加者からは「ゲーム形式で楽しく学ぶことができた」などのフィードバックがあったという。

　所要時間は約2時間で、最少催行人数10名、価格は30万円（税別）から。

　カスペルスキーでは、今後、発電施設などへのサイバー攻撃のシナリオを用意し、より専門性の高い重要インフラ事業者に演習の提供を拡大する計画だ。