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損保ジャパン、約1万5000ユーザーで日立のシンクライアントシステムを利用

 株式会社日立製作所(以下、日立)は10日、株式会社損害保険ジャパン(損保ジャパン)が、本社・営業店の約1万5000ユーザーが利用する大規模な仮想デスクトップ環境に日立のシンクライアントシステムを採用し、本格的に稼働開始したと発表した。

 損保ジャパンでは従来、HDD付きの一般的なクライアントPCを利用していたが、シンクライアント端末を活用するシステムへ移行することでITガバナンスを強化。契約者情報などを端末側に保存しない仕組みにより、情報漏えいリスクを低減し、セキュリティの向上を実現した。

 また端末には、日立のモバイル型シンクライアント「FLORA Se210 RK3」を採用しているため、全国の営業担当者は、外出先や自宅、移動時など、時間や場所に縛られずにセキュアな環境での業務が可能になった。こうしたワークスタイルの変革を推進することで、営業担当者の機動力が強化され、顧客対応力が向上したという。

 さらに、関東と関西の両データセンターへ営業店で利用するデスクトップ環境を集約して、全ユーザーの同時利用に耐えうるキャパシティを持ったシステムを構築した。こうしてデスクトップ環境がデータセンターに集約されたことで、被災時などにおける事業継続性の強化を実現している。

 センター側のシステムとしては、ブレードサーバー「BS320」400台、仮想ファイルプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform」10台、「Hitachi Adaptable Modular Storage 2500(AMS2500)」1PBを採用。AMS2500の容量仮想化機能を活用し、ユーザーが利用可能なディスク容量を仮想的に2.5倍に拡大するなど、周辺システムを含め効率的なシステム統合を実現したとのこと。また、仮想デスクトップ環境の構築にはCitrix XenAppとWindows Server 2008 Hyper-Vを適用し、統合システム運用管理「JP1」で運用管理を行っている。

 なお、2014年9月に予定している日本興亜損害保険との合併(関係当局の認可などが前提)による新会社でも、本社・営業店システムのPC約1万台に同様のシステムを導入する予定とのこと。新会社では、さらに、約1万3000台の損害調査PCにも仮想アプリケーション環境を導入する計画で、最大では約3万8000ユーザーまで拡張する予定としている。

石井 一志