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損保ジャパンが基幹業務システムをクラウド化、「国内金融機関最大規模」

システムの概要図

 株式会社日立製作所(以下、日立)は13日、株式会社損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)の基幹業務システム基盤にクラウドサービスを提供し、稼動を開始したと発表した。

 日立データセンター内に構築したクラウド環境を使用容量に応じた従量課金で提供するPaaSサービスに、社内オンラインシステムや代理店システムなどを移行した。

 社内オンラインシステムは、損保ジャパンの社員が契約照会・保険料計算・精算収納・保険金支払といった基幹業務を行うためのもので、約1万8000人の全社員が利用する。代理店システムは、損害保険代理店における保険募集から契約締結、事故報告など一連の業務を支援するもので、全国の代理店ユーザー約36万人が利用する。

 損保ジャパンでは従来、基幹業務システムを複数のセンターに分けた約1250台のオンプレミスサーバーで構築・運用管理していたが、日立の支援の下、その大部分を仮想化技術で統合した上でクラウド環境へ移行した。

 サーバー・ストレージ・ミドルウェア・運用サービスを組み合わせた、アプリケーションの開発環境や本番環境となるITプラットフォームの提供を受けることで、システム運用・保守を一元化するほか、機能拡張にも柔軟に対応するシステム環境を実現し、TCO削減やセキュリティ・事業継続性の向上を図る狙い。

 日立によれば、「大規模ユーザーが利用する基幹業務システムにクラウドサービスを適用した例としては、国内金融機関において最大規模に相当するもの」という。

川島 弘之