ニュース
Salesforce、広告営業やキャンペーン業務の効率化と最適化を支援するメディア企業向けAIエージェント「Agentforce for Media」を発表
2025年7月8日 08:30
米Salesforceは現地時間6月19日、企業向けAIエージェントに不可欠な、信頼やセキュリティ、ガバナンスを支援するための「Agentforce for Media」を発表した。Agentforce for Mediaは、広告営業およびキャンペーン業務の効率化と最適化を支援し、メディア業界全体の変革を後押しするとしている。
Salesforceでは、広告の営業活動においては、大量のリードの中から本当に価値のある見込み客の選別や、個別にカスタマイズした提案書の作成、価格の最適化といった業務に多くの時間を費やし、必要なデータを探すだけでも相当な工数がかかっていると説明。キャンペーン業務においても、広告在庫の確認やクリエイティブ素材の管理、リアルタイムでのパフォーマンス最適化など、多岐にわたる業務が発生しており、加えて複数システムへの重複入力が求められることで、ミスや対応遅延につながるケースも散見され、こうした非効率性が成果の最大化を阻む要因になっているという。
Agentforce for Mediaは、AIエージェントを活用し、人間と協働しながら時間のかかる業務を軽減。広告営業からサブスクリプションビジネスとのエンゲージメントに至るまで、メディア業界に特化したスキルやアクションをあらかじめ用意し、幅広い業務の自動化を実現する。その結果、チームは顧客との関係構築や商談のクロージング、魅力的なコンテンツの創出といった本質的な業務へ時間を再配分できるとしている。
Agentforce for Mediaの「広告提案スキル」は、これまで手作業で行っていた広告主や取引先の情報をまとめ、商談概要、提案書、ピッチ資料の作成をAIエージェントによって自動化する。営業担当者は、複数のプラットフォームからデータを収集する負担を軽減し、Agentforceを活用して包括的なアカウントおよび商談のサマリー作成、関連するプロダクトの抽出、提案書やピッチ資料のドラフト作成を短時間で完了できる。これにより、キャンペーン情報の処理や適切な商品の特定を迅速化し、提案書作成にかかる時間を数分に短縮する。
また、Agentforceは、広告営業にとどまらず、メディア企業全体を支えるための統合エージェントとしても機能する。キャンペーン企画支援機能では、人とAIエージェントのシームレスな連携を促進し、キャンペーン企画支援では、キャンペーンのアイデアから実行までを数時間で完結する。包括的なブリーフ作成、メールやSMSの自動下書き、カスタマージャーニーマップの作成を支援。自然言語によるオーディエンスのセグメンテーションと、リアルタイムのパフォーマンス追跡にも対応する。
メディアプラン作成支援機能では、自然言語処理(NLP)と統合CRMデータを活用し、製品カタログ、承認済み価格、ルールエンジンに準拠した見積もりを自動生成する。リアルタイムでの調整も容易で、迅速な契約締結と顧客満足度の向上に貢献する。
リード転換率の向上に向けては、初回接触のプロセスを効率化し、リードを自動で適切な営業担当者に割り当てる。外部データを活用し、タイミングやトーンを最適化してパーソナライズされたメッセージも自動作成する。これにより、営業チームが高い成約可能性の案件に集中しながら、コンバージョン率を高められるようにする。
サブスクライバーサポートの強化では、サービス担当者が、請求や購読、アクセス権などに関するよくある問い合わせに即時対応できるよう支援する。アカウント情報を即時に提供し、更新を自動化することで、迅速かつパーソナライズされたサポートの提供が可能になり、ロイヤルティ向上と解約率低下が期待できる。
ファンエンゲージメントの促進に向けては、複雑なファンエンゲージメントのワークフローを簡素化し、新旧のファンエンゲージメント施策にシームレスに統合する。Agentforceは手作業を必要とせず、迅速なプロセスと大規模なパーソナライズ体験の提供を可能にする。