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電通デジタルと電通、Snowflakeを活用した企業間データ連携プラットフォーム「Tobiras Shared Garden」を共同で開発
2025年7月8日 13:46
株式会社電通デジタルは8日、株式会社電通とSnowflake合同会社が取り組む企業間のデータ連携プラットフォーム「Tobiras Shared Garden(以下、TSG)」の開発に参画したと発表した。TSGは、企業グループ内・他企業間でのデータ連携を促進し、マーケティングROI(mROI)の最大化を支援するもので、8日に提供を開始する。
TSGは、既存のシステム環境に依存せず、マルチクラウド(クラウドフリー)で柔軟かつ安全なデータ連携を実現するプラットフォーム。これにより、顧客は、企業グループ内・他企業間や、電通デジタル・電通がアライアンスを構築したデータホルダー、プラットフォーム企業とのデータ連携が可能となる。また、顧客の環境において、より自由度の高いデータ利活用によって、広告施策やCRMの効率化を実現する。
電通デジタルでは、近年、ファーストパーティデータの取得範囲と深度が拡大する中、企業にはこれらのデータを利活用することによるmROIの向上が期待されていると説明。その一方で、プライバシーポリシーに基づく同意範囲の管理や、システムの安全性確保といった課題により、企業グループ内であってもデータ連携が難しいケースが多く見られるという。
特に、複数のデータソースを活用する際には、それぞれ異なるプライバシーポリシーに対応する必要があり、それぞれのデータソースから提供される個人データの同意範囲を適切に管理するには多大な労力を要する。また、一度データを送付すると、送付先のデータを更新できないうえ、無断コピーや目的外利用を防ぐ手段も限られていることが、データ連携上の障壁となっていたとしている。
TSGは、電通デジタル・電通が年間1000件以上(累積3000件以上)運用してきたデータクリーンルーム(以下、DCR)の知見を生かして設計しており、これらの課題を解決する3つの機能を備える。
「Consent Matching Support AI」は、連携データに関連する複数のプライバシーポリシーを読み込み、同意内容と一致する表現を抽出・リスト化し、プライバシーポリシーの確認を支援する機能を提供する。
「Interoperable DCR」は、データ連携における安全管理措置を支援し、基本クエリを用意することで、非エンジニアでも分析を可能にする機能を提供する。
「Intelligent Activation」は、分析結果に基づき、目的に応じた広告やCRMの施策実施を支援する機能を提供する。
これらの機能により、顧客は柔軟かつ安全にデータ連携を実現できると説明。また、TSGは、Snowflakeが提供するマルチクラウド対応のプラットフォーム上に構築されていることから、顧客は自社環境内で効率よく安全にファーストパーティデータを管理・連携・分析でき、料金体系として「固定費+従量課金制」を採用しているため、初期コストを抑えてスモールスタートもできるとしている。
電通デジタルではこれまで、Snowflake Partner Networkのサービスパートナーとして、ファーストパーティデータ活用に関する支援やクラウド基盤の開発を多く実施しており、その実績やノウハウを生かし、今回の共同開発に取り組んだ。今後は、TSGの機能拡充を推進すると同時に、電通デジタルの統合マーケティングAIエージェントと接続することで、顧客のmROI最大化の実現および、AIトランスフォーメーションを支援していく。
電通デジタルは今後、対応クラウドの拡大に加え、Snowflakeが提供する主要AIソリューションを活用することでTSGを強化し、顧客のmROI向上に貢献していくとともに、グローバル各市場への展開も進めていくとしている。