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コクヨ、TISのAWS環境向けマネージドサービスを導入しマルチアカウント環境の安全性などを向上
2025年7月8日 11:00
TIS株式会社は7日、コクヨ株式会社が、Amazon Web Services(AWS)を対象としたマネージドサービス「マネージドサポートサービス」を導入したと発表した。コクヨでは、そのメニューの1つである「AWSマルチアカウントスイート」を活用し、自社のB2Bサービス基盤をAWSマルチアカウントに移行。2024年9月に2つのサービスが同時に本番稼働をスタートし、早期に安定稼働が実現したとしている。
文具・オフィス家具メーカーのコクヨでは、早くからデジタル領域にも進出し、クラウド市場の拡大前に、ユーザー企業の業務効率化を支援するB2Bサービスの提供を開始していた。2004年に、企業間の伝票発送業務を自動化・ペーパーレス化する「@Tovas(アットトバス)」を開始したほか、金融機関の文書管理に特化したサービス「Re:FIND(リファインド)」も提供している。
この2つのサービスの基盤はデータセンターのオンプレミス環境に置かれていたが、2022年からクラウドに移行することを検討し、複数の候補の中から「マネージドサポートサービス」の導入を決めた。
採用にあたっては、TISのグループ会社であるインテックが、移行対象となった「@Tovas」「Re:FIND」のオンプレミス基盤の構築・運用を約15年にわたって手掛けており、コクヨから信頼を寄せられていたことや、今回の提案が、コクヨが近年のサービス立ち上げで最も多く採用しているAWSを主軸とする内容であったことが評価ポイントになったとのこと。
さらに高く評価されたのは、AWSをマルチアカウント構成にして、2つのサービスの領域を完全に分けて運用することで、コンソール画面を分離して誤操作を防止するとともに、社員ごとのアクセス権限が管理しやすくなる点。あわせて、TISの知見に基づくセキュリティ設定がプリセットで用意されている点にも注目しており、AWSのセキュリティ対策のすべてを社内で検証・評価するのは限界がある中で、TISのベストプラクティスを活用できる点も合理的だとしている。
このほか、事業部別のコスト管理を効率化できる点も決め手となった。マルチアカウントでは、AWSからアカウントの個数ぶんの複数の請求書が発行されるが、「マネージドサポートサービス」では、TISが一本化した円建ての請求書の中にアカウントごとの内訳が一覧表示されるので、コスト処理がより効率化できることに期待したという。
なお、AWS上に構築するアカウントの個数は、B2Bサービスの事業部別の2つのアカウントに、本番環境用・開発環境用などを加えて合計12個となった。2023年6月にスタートしたプロジェクトでは、インテックが全体を統括し、コクヨの一次窓口になり、TISはAWSを再販する役割とともに、「マネージドサポートサービス」の設定など技術面をサポートする役割を担っている。
