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クラウド型DWHサービス「Amazon Redshift」が提供開始、まずは米国東部リージョンから

 米Amazon Web Services(AWS)は15日(米国時間)、クラウド型データウェアハウス(DWH)サービス「Amazon Redshift」を提供開始すると発表した。最大でペタバイト(PB)クラスにまで拡張できる高い拡張性と、膨大なデータを迅速に分析できる性能を合わせ持っており、現在は米国東部リージョン(N.Virginia)で利用可能。今後数カ月以内に、AWSのほかのリージョンでも提供開始される。

 「Amazon Redshift」は、高い拡張性を持つDWH環境を容易に構築できるクラウドサービス。DWHのプロビジョニング、設定、監視、バックアップ、スケーリング、データ保護などに関する作業を自動で行ってくれるので、ユーザーは、従来の手法では膨大な時間とリソース、コストが必要だったDWHシステムの構築・管理を容易に行えるようになる。また、既存のSQLベースのビジネスインテリジェンス(BI)ツールを使用しながら、クエリ性能を大幅に向上させることが可能という。

 こうした特徴を実現するために、さまざまな最新技術が利用されており、列指向ストレージとデータ圧縮により、クエリ実行に必要なI/Oの量を抑制。それを実行するハードウェアは、ローカルストレージを備え、ノード間を10Gigabit Ethernetで接続するなど、DWH用に最適化されている。また拡張についても、超並列処理(MPP)アーキテクチャの採用により、処理能力とストレージの需要の変化に合わせたスケールアップ/ダウンをダウンタイムなしで行えるとした。

 ノードタイプは、2TBの圧縮ストレージを備えたエクストララージノード(XL)と、16TBの圧縮ストレージを備えたエイトエクストララージノード(8XL)が用意され、1つのクラスタに前者は1~32個、後者は2~100個を含めることが可能。拡張性が担保されているため、クラスタを1つのXLノードから始めて、100ノードの8XLに拡張する、といったこともできる。

 価格は、XLノードが時間あたり0.85ドル、8XLノードが同6.80ドル。1年契約/3年契約のリザーブドインスタンスも契約可能なので、これらを利用するとさらに低価格での利用が可能になっている。

 なお、「Amazon Redshift」は2012年11月の「AWS re:Invent」カンファレンスで発表されており、一部企業に限定公開されていた。このプレビューでは、大幅なコスト削減と性能向上に加え、オンプレミスのDWH運用という、競争力強化のための差別化要因にならない作業から解放される点が、参加企業から特にメリットとして挙がってきたとのことだ。

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