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AWS、クラウド型DWHサービス「Amazon Redshift」を東京リージョンで提供開始

Amazon EC2のHPC向けクラスタインスタンス2種類も

 米Amazon Web Servicesは5日、クラウド型データウェアハウス(DWHサービス)「Amazon Redshift」を東京リージョン(データセンター群)で提供開始したと発表した。またAmazon EC2(Elastic Compute Cloud)では、Amazon Redshift向けのインスタンス「High Storage Instances」を提供開始している。

 Amazon Redshiftは、PB規模のデータウェアハウスサービスを提供できるクラウドサービス。TBあたり年間1000ドル以下という低コストで、膨大なデータを迅速に分析できるのが特徴で、これまで利用していたSQLベースのビジネスインテリジェンス(BI)ツールをそのまま使用しながらデータセットを分析できるという。

 またHigh Storage Instancesは、1つのインスタンスで高密度ストレージを必要とするDWHなどの超大型データセットや、高いシーケンシャル性能が必要なアプリケーション用にデザインされたインスタンスである。

 今回はさらに、Amazon EC2において、2種類のHPC向けクラスタインスタンス「Cluster Compute Eight Extra Large」「High Memory Cluster Instance」も、東京リージョンで提供開始されている。

 このうちCluster Compute Eight Extra Largeは、非常に高いCPU性能を持ち、広帯域かつ低レイテンシ、双方向ネットワークでインスタンスを稼働できるクラスタ。ゲノム解析や大規模SAP導入、要件の厳しいネットワークバウンドのアプリケーションなどに適しているという。

 一方のHigh Memory Cluster Instanceは、1つのインスタンスにおいて、巨大なメモリや、分散メモリ型アーキテクチャを必要とするアプリケーションに向いたインスタンス。高性能データベースや分散メモリキャッシュなどのメモリ集約型アプリケーション、大学や研究所などで利用される実時間解析やインメモリ分析などで利用できる。

 今回2つのクラスタインスタンスが東京リージョンで提供開始されることにより、日本の企業や研究所は、事前投資が不要で、必要な時にいつでも、使った分だけ、柔軟にスケールアップ/ダウンが可能なHPCインフラを容易に利用できるようになるとのこと。また2013年4月には、AWSの東京リージョンとSINETがピアリングされており、これらのインスタンスを、より低遅延かつ高速なネットワーク経由で利用できるとしている。

(石井 一志)