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日立造船、BI基盤に「MotionBoard」と「Dr.Sum EA」を採用

 ウイングアーク1st株式会社は24日、日立造船株式会社が、ウイングアーク1stの情報活用ダッシュボード「MotionBoard」ならびにBI・データ活用ソリューション「Dr.Sum EA」を導入したと発表した。日立造船では全社的なBI基盤として、これらの製品を利用している。

 日立造船ではこれまで、全社的な経営情報の可視化を目指す取り組みの中で、「経営企画」「人事管理」「安全管理」「生産(工場)管理」といった4つのテーマで可視化を行ってきた。

 いずれのテーマについても、集められた情報はExcelを利用して手作業で集計されていたが、紙の報告資料からは詳細情報を読み取ることができず、また会議が終わった後にも生かされることがなかったという。

 そこで同社は新たなツールの導入を検討し、MotionBoardとDr.Sum EAを採用した。導入にあたっては、データソースを選ぶことなくさまざまなデータを収集し、グラフィカルに表現できる点や、用途や要件に応じた柔軟な画面設計が可能な点、ユーザビリティに優れている点などを評価。また、ユーザー権限に応じたアクセス制限により、セキュリティを担保できることや、サーバーライセンスで利用でき、ユーザー数が制限されないことも重視した。

 なお、日立造船が推進する4テーマのうち「経営企画」では、各事業部門の受注データに着目し、業績と見込みの可視化を目指している。ツールの導入により、従来、複数の担当者が1週間がかりで行っていたExcel作業が数時間で行えるようになり、実質的な作業時間が1/10程度に短縮されたとのこと。

 また集計データにすぎなかった資料も、あらゆる角度からグラフ化(可視化)できるようになったことで、実情が明確化された。経営者はこうしたデータを見て状況を判断し、将来を予測する、といったことが可能になっている。さらに、営業担当者のアクションをドリルスルーすることにより、実態を確認可能になることから、経営陣やマネージャーに気づきが得られるようになると見込んでいるという。

 2つ目の「人事管理」では、社内アンケートの集計による状況調査・分析で“見えてくるもの”を調査している。今回、これをアクションプラン(目標達成シート)を可視化するツールに位置付け、個々の社員のスキルマップやマインドセットを明らかにして、キャリアプランの策定や適材適所の人事異動(ミスマッチの解消)などに生かしていく予定。

 「安全管理」では、災害データを可視化して全社共有することで、危険予知の啓発、災害に対する抑止力向上に役立てるのを目的としている。BIツールの導入により、休業を伴う災害が発生した割合を示すとともに、実際にどういった災害が発生したのかをドリルダウンして詳細情報の確認ができるようになった。

 その場で切り口を変え、特定の現場や拠点でどれだけ災害が発生しているのかを確認できるため、即座に各現場の安全管理責任者に配信し、安全に対する意識を喚起しているとのこと。今後は、災害につながる設備の不備など、原因究明のためのデータの可視化を進めていく。

 最後の「生産(工場)管理」では、日立造船のマテリアル製品などを生産する若狭事業所で、先行して予実算管理への取り組みを実施している。同事業所では小規模なものまで含めると常時300を超えるプロジェクトが進行しているものの、各プロジェクトに投入される工数や原材料、電力・エネルギーなどの原価は、月次でしか集計されておらず、その段階で予算の超過が発覚したとしても、すでに手遅れで対応が難しい状態だったとのこと。

 しかしBIツールにより、リアルタイムに近いプロジェクト予算の遂行状況を把握可能になったため、各現場レベルで的確なコントロールを行い、予定された利益を確実に確保するための動きを取れるようになったという。

 さらに経営企画室で行っている受注予測分析の結果と連携させることで、経営陣も、より確度の高い経営計画を立てられるとした。