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田辺三菱製薬、「Dr.SUM EA」と「MotionBoard」で迅速な市場・競合分析

 ウイングアーク1st株式会社は11日、田辺三菱製薬株式会社が変化に即応できる経営戦略や製品戦略を立案するため、BIツールとして「MotionBoard」および「Dr.SUM EA」を導入したと発表した。環境の変化が激しい医薬品業界において、参入市場や競合製品などの動向を迅速に把握するという。

 田辺三菱製薬は、自己免疫疾患、糖尿病・腎疾患、中枢神経系疾患、各種ワクチンなどの医薬品を中心とした製造・販売を展開している。現在の医薬品業界は変化が急速で、市場に対して独自の価値をいち早く提供するスピード感が求められているという。同社はそれに向けて、IMSの医薬品市場情報を利用した市場・競合分析を行っている。

 IMSデータにある市場動向にかかわるさまざまな情報を、参入市場・競合などの情報が時系列に登録された巨大なExcelシートで管理・毎月更新しているが、その加工作業には相当な時間を要し、かつ同じ内容が各部署で重複するなどの課題を抱えていたという。

 従来から利用していた手組みの分析システムもあったというが、市場・顧客の変化に、より簡易に仕様追加・変更が可能なBIツールを検討する必要性を感じていた。

 そこでMotionBoardとDr.SUM EAを導入。将来的に増加するユーザー数を考慮し、約3500名のアクセスに耐えられるツールとして選んだという。

 2013年5月に本社をはじめ、支店や営業所のスタッフとMRを対象とし、分析システムを公開した。種類により週次・月次・四半期・半期単位で更新されるIMSデータと、社内のSFA活動データ・実消化データなどを組み合わせ、約20億件のデータをDr.SUM EAに登録。MotionBoardでグラフ化する仕組みを実現している。

 特に支店スタッフ、営業所長、MRにおける定着化に注力し、市場把握手順を織り込んだ操作解説書を作成。約70回、のべ1000名以上に説明会を開くなどの活動に取り組んでいる。現場ユーザーからは「二次加工が不要となり作業負担が軽減された」「データをきれいにビジュアル化でき、値のボリューム感や変化の兆しが把握しやすくなった」などの声が挙がったとのこと。

 今後は、現場からの要望に応じて機能拡充するほか、社内での定着活動を継続する予定。

川島 弘之