週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】DC in DCとは

 「DataCenter in DataCenter」の略称で、直訳すれば「データセンター内のデータセンター」。データセンター施設の所有者・管理者が、その施設内の一部区画を別事業者に貸し出す形態のこと。データセンターはしばしば「DC」と略記されるが、より字数を短くするため、この表記が定着したとみられる。借り受けた事業者は、これを自社データセンターとして扱ったり、さらに別の顧客へコロケーションサービスを提供するための基盤などに活用できる。

 規模にもよるが、データセンターを新規に建設する場合、工事期間だけで1~2年、用地取得も含めるとそれ以上の時間が一般的にはかかる。当然、莫大な工事費、維持運用に伴うランニングコストも発生する。

 そこで、事業・サービスを素早く立ち上げたい事業者などを中心に、データセンターをイチから建設して自社保有するのではなく、賃貸で調達したいというニーズが発生する。他事業者への賃貸を前提にデータセンターが建設される例は少なくない。

 近年、物流の世界では、1つの巨大倉庫を複数のテナントで共有する「マルチテナント型」が増加しているという。データセンターにおいても、顧客ニーズの多様化などを背景に、“保有せずに借りる”というスタイルが広がっていると考えられる。