週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】輻輳(ふくそう)とは

 物が1カ所に集まって集中し、混雑することを「輻輳(ふくそう)」と言う。通信・情報処理の世界では、インターネット回線や電話回線など各種ネットワークにおいて、特定の部分にアクセスが集中し、通信が遅れたり、正常に処理が完了しない状態・事態のことを意味する。英語表現では「Congestion」が相当する。

 電話では、例えば災害が特定の地域で発生すると、安否を確認するため、災害発生地を着信先とする電話発信が急増する傾向がある。しかし、これを処理する電話交換機などは、極端な通話増に耐えられるような設計にはなっていない。緊急時の想定で設備を構成してしまうと、設備投資が過大になってしまうことなどが理由だ。

 正常に通話ができないと、利用者は再度また発信を試みたりと、さらに通信が集中してしまう。こうした状態を輻輳と呼び、強制的に発信規制を行うなどして対処する。輻輳を放置すると、設備が連鎖的に機能不全を起こし、より深刻な「輻輳崩壊」に至ってしまう可能性もある。

 インターネットにおいても輻輳は発生する。例えばテレビなどで商品が紹介され、購入のためにECサイトへ客が殺到。サーバーやルーターの処理が追いつかないといったケースが想定される。

 輻輳の発生を抑止するには、通信回線の帯域を拡張したり、複数台のサーバーを並行運用する場合の通信経路設計を最適化するなどの手法がある。