週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】生グリーン電力とは

 太陽光発電などで得られた電力について、需要者に対して直接供給する仕組み・枠組みのこと。再エネ発電にともなって発生した証書などの活用で「再エネを使用したと“みなす”」のではなく、実際に再エネ発電で得られた電気を直接的に使う、という文脈で用いられる。

 日本国内における太陽光発電では、FIT(固定価格買取制度)と呼ばれる方式がよく知られている。一般住宅や大規模ソーラー発電所などの違いにかかわらず、発電した再生可能エネルギーを、国が定めた価格で電力会社が一定期間にわたって買い上げることがルール化された。買取期間は原則10年とされる。

 太陽光発電の設備を設置した者にとって、固定価格での買取は魅力的であり、よって自家消費はせず、「FITで売電」するのが一般的だった。またFIT制度のもとで発電すると、非化石価値が付加的に創出され、これは証書化される。脱炭素に取り組む企業などは、証書の売買取引を通じて、再生可能エネルギーを使用したとみなすことができた。よって、再生可能エネルギーそのものを使っているとは限らない。

 ただし近年は、FIT期間が終了したり、そもそもFITを適用しない(非FIT)太陽光発電所などが、需要者に対して電力を供給するケースがある。みなしではなく、実際の再生可能エネルギーを使う体裁のため、「再エネ実質100%」とは対義的な意味で「生グリーン電力」という表現がなされるようだ。

 とはいえ、再エネ発電者と需要者を1本の配電ケーブルでダイレクトにつなぐという意味では必ずしもない。一般送電網を経由させ、発電量と消費量が30分単位で一致していれば、これもまた生グリーン電力の使用とみなされる。