週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】CDNとは

 「Content Delivery Network」の略称。文字通り、コンテンツを配信するために設計・運用されているネットワークを指す。

 長編動画などの大容量デジタルコンテンツを1台のサーバーで配信しようとした場合、ユーザーが過度に集中してしまい、サーバーの処理能力やネットワーク回線の容量を超えてしまう可能性がある。結果的にユーザーはスムーズにコンテンツを楽しむことができず、事業者側の機会損失にもつながってしまう。

 そこで、コンテンツ配信を行うためのサーバーを、物理的・ネットワーク経路的によりユーザーへ近い部分に分散配置することで、通信経路を短くし、コンテンツ配信のスピードや安定性を高めるというのが、CDNの基本的な考え方である。

 配信コンテンツのオリジナル(原本)が存在するサーバーは一般に「オリジンサーバー」と呼ばれる。1人目のユーザーがオリジンサーバーのコンテンツにアクセスすると、その過程で経由する「キャッシュサーバー」にコンテンツが蓄積される。2人目以降のユーザーはオリジンサーバーではなく、より経路的に近いキャッシュサーバーからコンテンツを得られるため、レスポンスは向上する。

 理論上、CDNは非常に大きなネットワークとなるため、専門の事業者があらかじめCDNを構築して、コンテンツ配信法人などに有償で提供するケースが少なくない。CDN提供事業者・サービスとしては、Akamai、CloudFlare、Amazon CloudFrontなどがよく知られている。