週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】「SaaS」とは

 「Software as a Service」の略語で、読み方は「サース」あるいは「サーズ」。ソフトウェア・アプリケーションの提供形態・利用形態の一種で、2000年~2010年頃にかけて普及が進み、2020年の現在もなお、主流とみなされている。

 国内外でインターネットが急速に勢力を拡大していったのは1995年~2000年頃であるが、それまでPCにおける業務用ソフトウェアの利用形態は、フロッピーディスクやCD-ROMに格納された物理メディアを流通させるとともに、そのライセンス(利用許諾)を販売するのが一般的だった。ユーザーはそうして取得したソフトウェアを自らPCやサーバーにインストールして利用した。

 しかしインターネットが普及し、十分な通信速度が確保されるようになったこともあり、ベンダー各社は新たな提供形態を模索。ソフトウェアの提供者側(プロバイダー)がネットワーク上にソフトウェア実行環境を構築し、ユーザー側がインターネットネットワーク経由でそれにアクセスするだけで、ソフトウェアを利用できるようになっていった。

 こうしたネットワーク経由のソフトウェア利用は「ASP(Application Service Provider)」と呼ばれたが、クラウドの概念が浸透するのと並行して、「SaaS」という表現へ改められていった。このため、ASPとSaaSがほぼ同義と捉えられるケースが少なくない。

 SaaSはその略語の通り、ソフトウェアを「サービス」と位置付けている。このため、ライセンスを1度販売して終わりではなく、契約し続けているユーザーに対し常に最新の機能を提供したり、利用できるコンテンツの種類を増やすなど、いわゆる「サブスクリプション」型ビジネスモデルの特性も持ち合わせている。