特別企画

インメモリデータベースを簡単に利用できるSQL Server 2014

データベースはアプライアンスに回帰する

 SQL Server SSD Applianceの提供を見ていると、データベースはハードウェアとデータベースエンジンが密接に組み合わされたアプライアンス化していくのかもしれない。

 現にデータベース大手のOracleは、Oracle Exadata Database Machineなどにより、Oracle Databaseが最も高いパフォーマンスで動作するプラットフォームを提供している。

 Oracle Exadataなどは究極の例かもしれないが、データベースの性能を上げようとするには、ソフトウェア的なチューニング作業で手間を掛けて数%性能を向上させるよりも、SSDやインメモリなどのハードウェアテクノロジーを利用して性能を向上させた方が、大きな性能向上を享受できるようだ。

 いってしまえば、人間の手でチューニングするよりも、ハードウェアを用いて力ずくで性能をアップさせた方が、確実なパフォーマンスアップが保証される。

 SQL Server 2014 SSD Applianceは、標準的なサーバーハードウェアに多量のメモリとSSDなどのフラッシュストレージを接続したシステムなので、それほど特殊なハードウェアシステムとはいえない。このため、ハードウェアコストとしては、リーズナブルといえるだろう。

 またシステムインテグレータと相談すれば、どのような構成にすればスモールスタートが可能になるか、という相談も可能だろう。なによりもx86プロセッサ、SSDストレージという組み合わせは、年々コストが下落する一方で、CPU性能やSSDのストレージ容量/性能はアップしていく。このような状況を考えると、ここ10年ぐらいは、データベースも力業でパフォーマンスアップして時代になった、といえるのかもしれない。

 クラウド化という時代の流れを考えると、データベースのハードウェア回帰は逆方向に動いていると感じるかもしれない。しかし、データセンター/クラウド事業者のビットアイルでは、SQL Server 2014 Virtual SSD Applianceとして、高速なSQL Server 2014の環境を提供している。こういったサービスも出てきているため、低コストで高いパフォーマンスを持つデータベース環境が、これまでよりも簡単に利用できるようになったといえるのだろう。

 SQL Server 2014の登場は、既存のデータベース環境を再考する、いい機会なのかもしれない。

ビットアイルでは、SQL Server SSD Applianceをホスティングとして提供している
今後データベースは、パフォーマンスの面でもクラウドとオンプレミスのハイブリッド化を果たしていく。ハードウェアが自由になるオンプレミスだから高いパフォーマンスではなく、クラウドでも、提供されているサービスによってはオンプレミスをしのぐ性能が提供されていくようになるだろう

山本 雅史