特別企画
インメモリデータベースを簡単に利用できるSQL Server 2014
(2014/6/18 06:00)
そのままの管理を継続しながら大幅な高速化を実現
全く新しいインメモリデータベースを導入すれば、アプリケーション開発者、ITシステムの運用管理者は、さまざまな知識を新たに習得しないといけないが、これではインメモリデータベース対応のアプリケーション開発に時間がかかったり、運用・管理に対する多数のナレッジやノウハウが必要になったりするため、安定した運用管理には年単位の時間がかかるかもしれない。
しかしSQL Server 2014では、今までのSQL Serverと同じ管理コンソールを使ってインメモリデータベースが利用できるため、管理者側は新しい管理システムの使い方を覚える必要はない。これは大きなメリットといえる。
既存のSQL Serverそのままの運用管理や開発スタイルで、インメモリデータベースのメリットを享受できるなら、たとえパフォーマンス的が少し落ちたとしても、SQL Server 2014を選択するメリットは大きいだろう(他社のインメモリデータベースよりSQL Server 2014のパフォーマンスが落ちると言っているわけではないので、念のため)。
SQL Server 2014では、いろいろなケースが想定されるので、一概にどれだけ高速化されるかというのは言いにくいが、bwin社の例でいけば16倍以上高速化されている。この例では、SQL Server 2008をSQL Server 2014にバージョンアップするだけで、同じサーバーで1秒間に処理できるトランザクション数が約17倍にアップしている。
すべての利用例でこれだけ性能がアップするわけではないだろうが、同じサーバーで10倍ほど性能がアップするなら、企業にとってはメリットが大きいだろう。
SQL Server 2014の最大性能を発揮するには?
Hekatonが便利なのは、SQL Server 2014にアップグレードするだけで、既存のアプリケーションを書き換えなくてもパフォーマンスが向上することだ。多くのインメモリデータベースソフトでは、専用のアプリケーションを開発する必要があった。しかしSQL Server 2014では、現状のハードウェアでもインメモリデータベースのメリットを享受できるとMicrosoftでは説明している。
確かにHekatonでは、アプリケーションの再開発などをしなくてもインメモリデータベースのメリットは享受できるが、より多くのメリットを享受するためには、インメモリデータベースに適したデータベースサーバーのハードウェアが必要になるのではないか。
多数のマルチコアCPUを持つ、大量のメモリが搭載できるコンピュート部分と、SSDなどの高速なストレージなどが搭載されたハードウェアがあれば、SQL Server 2014のパフォーマンスを最大限に生かし切ることができるだろう。
Microsoftでもこうした考えのもとで、SQL Server SSD Applianceという製品を用意している。SQL Server SSD Applianceは、SQL Server 2014の動作確認済みのハードウェアで各ベンダーが作り上げているため、導入後すぐにシステムを稼働することができるのもメリットだ。