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NEC、製造業向け技術情報管理(PLM)ソフトウェア「Obbligato Ⅲ」の発売

報道関係各位

日本電気株式会社


製造業向け技術情報管理(PLM)ソフトウェア「Obbligato Ⅲ」の発売
~クラウドサービスへの対応に向けて機能を強化~

NECは、製造業の競争力の源泉とも言える設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を高度に管理するPLM(Product Lifecycle Management、注1)ソフトウェアの新製品「Obbligato Ⅲ(オブリガート スリー)」を開発し、本日より販売を開始します。

「Obbligato Ⅲ」は、国内トップシェア(注2)を有する前製品「Obbligato Ⅱ(オブリガート ツー)」をベースに、クラウドサービスへの対応に向けて大幅に機能を強化したものです。

機能強化のポイントは、RIA(Rich Internet Applications、注3)やSOAの技術を適用することによりグローバル拠点における分散開発や業務システム連携を容易にしたこと、さらに、NECの共通IT基盤サービス「RIACUBE(リアキューブ)」(注4)を活用し「Obbligato Ⅲ」を顧客毎にカスタマイズして提供する個別対応型のクラウドサービス利用を可能とした点です。また、2011年中には、SaaS型(注5)でのサービス提供を開始する予定です。

昨今、日本の製造業においては、新興国マーケット等の海外現地ニーズへの対応など、製品開発・設計やマーケティング機能の強化が課題となっています。こうした中、製品開発・設計の海外現地シフトに伴うPLMシステムのグローバル利用、開発の分散化、設計データの一極管理が必要になってきています。しかし、これまでのPLMシステムでグローバル分散開発を行うには、サーバを拠点ごとに設置したり、日本と海外拠点間に専用回線を設置するなどのインフラ整備が必要となり、コストや運用負荷の面で課題がありました。新製品は、こうした課題を解決し、低コストかつセキュアなグローバルPLMシステムを実現します。

NECは「Obbligato Ⅲ」について、今後3年間で150社に販売することを目指しています。

「Obbligato Ⅲ」の特長は以下のとおりです。

1.国内トップシェアのPLMシステムを、高度なグローバル分散開発やクラウドサービスへの対応に向けて機能を強化

(1)国内大手製造業600社以上の実績を有する「Obbligato Ⅱ」をベースとし、新たに、RIA技術に対応。

RIA技術として、マイクロソフト社のWPF(Windows Presentation Foundation,注6)を採用。従来のシステムでは、インターネットを介した場合、クライアントからはデータ参照程度の利用しかできず、グローバル拠点で実質的な設計業務を行うためには、現地にサーバを設置したり、日本と現地の間に専用線の設置が必要だった。WPFに基づくクライアントアプリケーションにより操作性や表現力が向上し、海外拠点で新たなインフラを設置することなしに現地のニーズにあった設計・開発をフレキシブルに実現可能。また、SOA技術を用いて、複数の業務システム連携も容易にした。

(2)「Obbligato Ⅲ」は、従来通りの自社構築での導入の他、NECのデータセンタに構築した共通IT基盤サービス「RIACUBE」を用いて、「Obbligato Ⅲ」を顧客毎にカスタマイズして提供する個別対応型のクラウドサービスを実現。

顧客企業は、ハードウェア・OS・ミドルウェア(注7)・「Obbligato Ⅲ」の自前導入/構築や運用が不要となり、高セキュリティ環境での技術情報管理を実現できる。

(3)「Obbligato Ⅲ」は2011年中にSaaS型で提供開始予定。主要な機能を、導入各社がパラメーター設定するだけで迅速に利用可能となる。

2.REACHやPRTRなど環境規制を考慮した環境配慮設計機能をトータルに提供

・製品に含有される化学物質の規制である「REACH規則」(注8)、「RoHS指令」(注9)、生産拠点で排出する化学物質の規制である「PRTR法」(注10) などの複数の環境法規制に対応する機能を、「Obbligato Ⅲ」でトータルに提供する。

・例えば「REACH規則」の場合、製品の構成情報と購入部品・材料に含有されているSVHC(高懸念物質、注11)情報を紐付け、各製品におけるSVHC含有量の積上げ集計機能を提供。また「PRTR法」の場合は、大気や土壌等へ排出した化学物質量や、事業所の外へ移動させた化学物質量を管理・集計する機能を提供。これらの製品軸と生産拠点(工場)軸の両軸での化学物質管理機能を提供することにより、製造業の環境対策を統合的にサポートする。

 昨今、IT投資の平準化やシステムのTCO削減のニーズが強まる中、クラウドサービスに対する関心が高まっています。こうした背景を受けてNECは、システム構築事業に加え、「クラウド指向サービスプラットフォームソリューション」を始めとするサービス事業を進めています。「Obbligato Ⅲ」の発売はこうした活動の一環となります。

 NECは、日本国内ならびに海外に進出している日系企業・現地の製造業企業に「Obbligato Ⅲ」を積極的に拡販し、PLMソリューション事業の一層の強化を図ります。

以上

(注1)PLM:製品開発の過程で発生する膨大かつ多種多様な技術情報を製品構成情報(BOM:Bill Of Materials)に紐付け、製品ライフサイクルに渡って統合管理することで、製品開発力の強化を目指す改革・取り組み。
(注2)(株)テクノシステムリサーチの「2009‐2010年PDM/PLMビジネス市場分析調査」(2010年8月発行)にて、国内PDM/PLM市場販売サイト数ベース調査にて1995年から2009年まで15年連続でトップシェアを獲得。
(注3)RIA:インターネット経由で利用するアプリケーションを高機能化するための取り組み・技術。この技術を採用することで、それまでシンプルな作業中心だったHTMLなどのウェブアプリケーションに、通常のアプリケーション並みの機能を付加することが可能になる。
(注4) RIACUBE:ハードウェア、OS、ミドルウェア等のIT基盤を標準化・共通化し運用保守まで含めサービスレベルを明確にした高品質な基盤サービス
http://www.nec.co.jp/outsourcing/riacube/index.html
(注5)SaaS(Software as a Service)型:あらかじめ用意されたアプリーションを多数の企業で共有して使うモデル。システム構築期間短縮や構築・運用の負荷およびコストを軽減できる。
(注6) WPF: Microsoftが開発した、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を開発するためのグラフィックスサブシステム。WPFアプリケーションは、デスクトップで実行するだけでなくウェブブラウザ上で配置・実行することが可能。
(注7) ObbligatoⅢと連携する他社製品については、別途調整。
(注8) REACH規則:EU(欧州連合)における化学品の登録、評価、認可及び制限に関する制度。(2007年6月施行)約3万種類におよぶ化学物質の環境リスクを管理する規則。欧州市場に直接・間接的に製品を輸出している企業は、製品の化学物質含有の有無や量などの情報管理・報告が必要になる。
(注9) RoHS指令:電気・電子機器を対象に同製品に含まれる特定有害物質の使用を禁止したEU(欧州連合)の指令。(2006年7月施行)
(注10)PRTR法:化学物質排出移動量届出制度。有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組み。
(注11)SVHC:高懸念物質のこと。内分泌かく乱性や蓄積性を有する有害物質。

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2010/10/5 18:00