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NECとIntel、モバイル基地局を仮想化するCloud-RANソリューションを共同開発へ

 日本電気株式会社(NEC)は18日、米Intelと、次世代無線インフラ向けにモバイル基地局を仮想化する「Cloud-RANソリューション」を共同開発すると発表した。両社は、Cloud-RANソリューションの有効性を検証する実証実験を、2016年2月に開始する予定。なおこの開発にあたって、Intelが仮想化ノウハウを提供し、NECはそのノウハウを基地局の仮想化に適用する。またNECは全体の管理も担当するとのこと。

 NECは、IntelのマルチコアプロセッサやNIC、DPDKを採用した汎用ハードウェアの仮想化基盤上に、vEPC(仮想モバイルコアネットワーク)ソリューション、vCPE(顧客宅内通信機器の仮想化)ソリューションを展開している。

 今回の取り組みは、その仮想化の対象をモバイル基地局まで拡張し、商用化に向けた検討を進めるもの。一体型モバイル基地局は、電波の送受信を行う無線処理部(RU:Radio Unit)と、データ処理を行うデジタル処理部(DU:Digital Unit)で構成される。両社が開発するソリューションは、携帯電話やタブレット、また今後普及が見込まれるIoTの接続制御などを行うDUの、レイヤ2以上の上位処理部分機能を仮想化。Intelのマルチコアプロセッサを搭載した汎用サーバー上の仮想化基盤上に集中化する。

 DUが各RUを集中制御することで、通信容量に応じて基地局の処理能力を柔軟に変更可能なため、省電力化などによる運用コストの削減や、データ処理が集中する場所での通信性能向上を実現するとした。

石井 一志