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PwC Japan、リスク管理支援を実現する基盤「リスク・インテリジェンス・ハブ」を用いたサービスを提供

 PwC Japanグループ(以下、PwC Japan)は21日、外部環境変化をいち早くとらえ、先進的なリスク管理支援を実現する基盤「リスク・インテリジェンス・ハブ」を用いたサービスを提供すると発表した。

 同基盤を通して、事業計画の検討に影響を与えるリスクとその対策に関する情報を迅速かつ効率的に企業のリスク管理部門の責任者(CRO)に伝え、外部環境の変化を起点にした事業部門の意思決定を支援する。これにより、企業は従来型の現場の報告に基づく内部データに依存したリスク管理から脱却し、外部リスク情報の収集から変化の予兆をつかんで事業への影響を評価できるとしている。

 PwC Japanは、地政学リスクの増大やテクノロジーの進化、ESG(環境・社会・企業統治)への関心の高まり、サイバー攻撃の脅威拡大など、企業を取り巻く環境が急速に変化しており、これらの変化は企業の戦略や事業計画に大きな影響を及ぼし、従来のリスクマネジメントでは十分に対応できない状況が生まれていると指摘する。経営にとってリスクは管理対象から戦略そのものに変わっており、企業はリスクの存在を認知しているだけではなく、外部環境の変化をどのように自社リスクとして認識し、意思決定につなげるかが問われているとしている。

 こうした課題に対し、PwC Japanはリスク・インテリジェンス・ハブを活用し、企業に重要な影響を及ぼし得る機会や脅威について、あらかじめ想定されるシナリオを策定する。合わせて、シナリオが顕在化する要因となる外部環境の変化を、リスクドライバー(リスク事象を引き起こす根本的な要因)として識別する。

 その後、外部環境に関する情報を継続的に分析し、将来において重要な変化が生じる可能性が高まった場合には、アラートを発信する。アラートを基に、企業のリスク管理部門、CROや事業部門と連携しながら、リスク対応の要否や具体的な対応策の検討を支援する。基盤には、米調査会社のユーラシアグループなど国内外の政策分野に関する外部専門家の情報をもとに、PwC Japanの地政学・経済安全保障リスクの専門チームが分析したリスクのトレンドや変動要因についてのデータが蓄積される。

 リスク・インテリジェンス・ハブにより提供される、「外部環境レポート」「機会・脅威シナリオ分析」「リスクアラート・レポート」の3つの成果物によって、外部データや専門家の知見を組み合わせ、将来の不確実性を予測し、経営アジェンダに反映するインテリジェンス型リスクマネジメントを実現する。

リスク・インテリジェンス・ハブの概要

 外部環境レポートは、信頼できる外部情報(政策専門調査会社のレポート、グローバルニュース、規制情報、ユーラシアグループのレポートなど)のほか、PwC Japanの専門チームや外部の専門家が外部情報をもとに分析した知見を、データベース化する。外部環境変化の項目とそのドライバーについて、PwC Japanの専門家が内外の情報ソースを用いて調査した最新動向を提供する。最新動向のトレンドの内容や背景、今後の重要イベントや将来の想定シナリオについても解説する。活用としては、リスク管理部門での外部環境変化を起点としたリスクモニタリングや議論を想定する。

 機会・脅威シナリオ分析は、PwC Japanの各種インダストリー担当者、地政学やサステナビリティ、サイバーセキュリティなどさまざまな領域の専門家チームと協働し、外部環境の変化が販売、物流・サプライチェーン、製造・開発、人事・労務、財務資本など多様な領域に及ぼす影響を分析する。さらに、重要リスクを選定し、将来に起こり得る可能性や重要性を含めたシナリオを構築する。そのシナリオが顕在化する外部要因であるリスクドライバーを抽出し、各企業の重要リスクとひも付ける。シナリオ作成は、企業ごとの活動の地域、製品、原材料、顧客、取引先などを踏まえて検討する。PwC Japanのリスク・インテリジェンス・ハブのチームとインダストリー専門家が連携し、外部環境変化が企業の重要リスクに及ぼす影響を機会・脅威シナリオとして整理する。活用としては、外部環境変化が自社の事業にもたらす影響を検討する際の資料を想定する。

 リスクアラート・レポートは、外部環境レポートと機会・脅威シナリオを掛け合わせて、企業に及ぼす潜在的な影響をタイムリーに察知し、アラート情報として関係者に配信する。このレポートをもとに、PwC Japanのプロジェクトチームが企業のリスク管理部門やCROと協議し、具体的アクションにつなぐことで、外部環境の変化に応じて適切な対応をとることを可能にする。活用としては、事業部門、経営部門で頻度高くリスクレビューを実施することを想定する。

 インテリジェンスをリスク管理に取り入れるには、単に外部環境の情報を集めるだけでは不十分で、外部環境の情報から、重要リスクの兆候を早期に察知し、企業に及ぼす影響を評価する必要があると指摘。まずは、自社の重要リスクと影響を及ぼす要因を特定し、継続的にモニタリングする仕組みを整えることが不可欠で、PwC Japanが開発したリスク・インテリジェンス・ハブは、こうした取り組みを支援するための基盤を提供し、従来型のリスク管理からインテリジェンス型リスクマネジメントへの変革を実現する。

 これにより、CROが将来の不確実性を予測し、事業部門、経営部門が連携して企業が機会・脅威を踏まえたアクションをタイムリーに策定できるようにする。