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米IBM、Watson Analyticsのデータディスカバリーや質問回答の能力を強化
(2015/10/16 17:48)
米IBMは14日(米国時間)、データ分析クラウドサービス「Watson Analytics」のデータディスカバリーおよび質問回答において、新機能を提供すると発表した。この機能により、ユーザーはデータから、より簡単に洞察を収集できるようになるという。
Watson Analyticsで用いられているコグニティブコンピューティングは、自然言語を理解し、推論し、仮説を生成することにより、人がデータに基づいて新たな方法で理解・推論および学習する手助けをしてくれる。今回IBMは、プロフェッショナルの質問、パターンの発見、および予測作成に役立てるため、Watson Analyticsのデータディスカバリーおよび質問回答機能を拡張した。
具体的には、まず、新たなデータコネクタにより、ユーザーはビジネス上の問題に、より多くの外部データソースを適用可能になる。対象は、IBM DB2、IBM Informix、IBM Netezza、IBM SQL Database、IBM dashDBといった自社製品のほか、人気の高いサードパーティのデータへのアクセスが含まれるとした。
また、クラウドを通じて企業データへ安全に接続する機能が、クラウドベースでデータ精緻化およびアクセスサービスを提供するIBM Dataworksによって強化された。Secure Gatewayテクノロジーにユーザーの業務用データベースとWatson Analyticsとを結ぶトンネル接続を要求して、データを自動的に暗号化し、Dockerコンテナを使って、安全な分析を可能にする専用の接続経路を通じたデータ転送を行うという。
加えてIBMでは、業界パートナーと共同で、新たなデータディスカバリモデル「Expert Storybooks」を導入する。これは、予測的な意思決定において、もっとも関連性の高い事実を明らかにし、パターンと関係を発見するために、さまざまな種類のデータソースを使って理解・学習および推論を行う方法をユーザーに示す上で役に立つとのこと。
例えば、ユーザーが野球選手の成績を分析して成績の予測を作成し、それを使って空想上の優位な打順を決めるために役立てる「AriBall」、インセンティブプログラムの効果を測定し、セールスリーダーが売上向上のために短期的なインセンティブを効果的に実行する方法と時期を決定する際に役立つ「Deloitte」などを提供するとした。