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ライト処理が多い環境でも性能を最適化、ユミルリンクがストレージ高速化基盤「PernixData FVP」を導入

 株式会社ネットワールドは8日、ユミルリンク株式会社が、VMware環境の性能改善を目的に、ネットワールドが取り扱う米PernixDataのストレージ高速化基盤「PernixData FVP」を導入したと発表した。2015年1月に開発業務、同5月には本番サービスを対象に本格的な適用がスタートしており、いずれにおいても成果を上げているとのこと。

 メール配信システムを中心に、クラウドサービス・ソフトウェア事業を展開するユミルリンクでは、社内業務/開発業務用に約300台、サービス用では約600台以上あるサーバーの一部を、VMwareによる仮想環境へ集約している。

 この統合により、インフラの最適化やコスト削減の面で効果は出ているというが、一方で、業務サーバーの中には非常に負荷が高いものも多く存在する。こうした一部のサービスの影響により、開発業務やサービスの品質に影響が出ないよう、VMware環境においても従来の物理環境と同等の性能を確保することが求められていた。

 そこで同社は、手間やコストを最小限にとどめながら性能改善できるソリューションとして、PernixData FVPに着目。ネットワールドの支援のもとで事前検証を行った結果、大きな改善効果が見られたことから、製品の導入を決定した。

 選定にあたっては、PernixData FVPが、リードだけでなくライト処理もキャッシュで処理でき、ライト処理の多いユミルリンクの環境でも、パフォーマンスを効率的に最大化可能な点を評価した。稼働後の調査では、わずか5日間でリード2億3600万回/ライト6億1100万回をPernixData FVPのキャッシュ上で処理し、約2.8TB分のトラフィックが削減されているほか、レイテンシは従来の1/3~1/5に、スループットも約2倍に改善されたという。

 また、VMware vSphereのカーネルモジュールとしてインストールされるため、仮想サーバーやストレージ、ネットワークへの変更作業が不要なこと、キャッシュ対象領域の設定なども簡単に行えることなども評価された。

 なお、ハードウェアの追加投資は、開発業務用サーバーに700GB×3枚、本番サービス用サーバーに1TB×3枚のPCI Express接続フラッシュデバイスを導入しただけで、PernixData FVPにより、必要な性能が確保できるようになったとのことで、導入作業も1時間程度で完了したとしている。

石井 一志