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富士通、最大性能を約8倍に向上させたハイエンドストレージ「ETERNUS DX8000 S3」

 富士通株式会社は1日、ハイエンドのディスクストレージシステム「FUJITSU Storage ETERNUS DX8000 S3 series」(以下、ETERNUS DX8000 S3シリーズ)3モデルを販売開始すると発表した。最小構成価格は2215万6000円(税別)からで、7月31日より順次出荷する。

ETERNUS DX8000 S3シリーズ

 「ETERNUS DX8000 S3シリーズ」は、基幹システムの維持・高度化から、イノベーションに向けた新システムの構築まで、あらゆる用途に対応したハイエンドストレージ。コントローラ性能の改善や最大コントローラ数の拡張により、従来製品と比べて最大性能を約8倍に向上しており、約400万IOPSを実現できるという。

 また、コントローラ内蔵型SSDキャッシュ「Extreme Cache」によって、データ読み込み時のキャッシュヒット率を大幅に向上させているのも特徴。Extreme Cacheを追加した場合、約4倍の性能向上を実現する。さらに、大容量なExtreme Cacheにより、アクセス集中時の負荷上昇を抑え、予測困難な環境変化にも柔軟に対応可能とした。

 加えて、アクセス頻度に応じて、データの格納先をHDDからSSDに変更するなど、最適な格納先にデータを再配置するストレージ自動階層制御機能と、目標性能に応じてストレージ内部のリソース配分を自動調整するQoS機能を連携させ、レスポンス性能を向上させた。QoS機能による自動チューニングで目標のレスポンス性能に到達しない場合、ストレージ自動階層制御機能により、高速な格納先にデータを再配置する仕組みで、多様なアクセス環境でも、複雑な性能設計をすることなく、要求性能を提供できるとしている。

 仮想化対応では、VMware vSphereのサーバー仮想化環境において、ストレージ運用を効率化する「VMware vSphere Virtual Volumes(VVOL)」をサポートする。従来は、複数の仮想マシン(VM)を同一ストレージのボリュームに格納し、ボリューム単位で運用していたため、VMごとのバックアップ運用や性能チューニングが困難だった。しかし、VVOLの適用により、管理GUIのvSphere Web Client上で、バックアップやQoSなどの運用ポリシーを容易に設定でき、VMごとの要件に応じた最適なストレージ運用を実現する。

 なお、今回提供されるのは、「ETERNUS DX8100 S3」「同 DX8700 S3」「同 DX8900 S3」の3機種。

 エントリーのETERNUS DX8100 S3は日本のみの提供で、メインフレーム、オープンシステムに対応。2つのコントローラを搭載し、ドライブ数は最大96、物理容量は最大288TBまで拡張できる。提供開始は11月30日の予定。

 ETERNUS DX8700 S3は、メインフレーム、オープンシステムに対応した中位機。コントローラ数は2~8で、ドライブ数は最大1536、物理容量は最大4608TBまで拡張できる。提供開始は7月31日(メインフレーム向けは11月30日)の予定。

 ETERNUS DX8900 S3は、オープンシステム専用の最上位機。コントローラ数は2~24で、ドライブ数は最大4608、物理容量は最大13824TBまで拡張できる。提供開始は7月31日(10~24台のコントローラ搭載は11月30日より対応)の予定。

石井 一志