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富士通とIntelがIoT基盤連携で合意、島根富士通で実証実験を開始

 富士通株式会社と米Intelは13日、株式会社富士通研究所の分散サービス基盤技術と、「インテル IoT ゲートウェイ」による包括的なIoTソリューションの構築に向け、連携することに合意したと発表した。

 富士通の分散サービス基盤技術は、センターと拠点を含むネットワーク全体にサービス機能を配備し、これらの一元的な管理を可能にするもの。センター側にクラウドベースの集中管理機構を設け、各ゲートウェイから受け取る監視情報に応じてデータ処理の最適配置を行うことにより、ゲートウェイに分散させる処理の最適配置を、サービス要件に応じて自動的に行えるという。

 この効果を最大限に引き出すためには、センター側にすべての処理を集中させず、ゲートウェイ側で一部を行うことが必要になる。そこに、インテルのプロセッサとソフトウェアの組み合わせを事前に統合・検証した「インテル IoTゲートウェイ」を利用し、富士通の分散サービス基盤技術を組み合わせることで、短期間でのシステム環境の構築が可能となるとのこと。

 また、データ量のリアルタイムな変化に対応したシステムの拡張・変更が可能になるほか、サーバーやPCなどのデータ処理を行うハードウェア数を削減できるので、システム全体のコスト低減が期待できるとした。

 両社は連携の第一弾として、両ソリューションを組み合わせた実証実験(PoB)を5月より島根富士通で開始した。

 島根富士通が以前より取り組んでいる工場の見える化の範囲を拡大し、各種データの収集・分析により間接コストを削減することが目的。同社では、製品出荷後のフィールド情報やセンサーから取得したデータと、製造工程の各種ログとの相関関係を分析することで、さらなるコスト削減を目指す考えで、まずは、リジェクト品の修理を行うリペア工程の可視化に取り組む。

 今回の実証では、リペアが必要となった製品の位置情報、滞留時間などリペアの進ちょくをリアルタイムに把握し、出荷までに発生する付帯作業の工数改善につなげるとのこと。

 今後は、試験工程における作業員や機器の動画像解析、試験ログとの相関分析などを行い、完成品の出荷率向上を目指す意向で、将来的には、見える化の範囲を工場間などサプライチェーン全体に広げていくことも検討している。

石井 一志