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富士通、仮想環境専用ストレージの新ハイエンドモデル「ETERNUS TR800」

データ格納コストを最大50%削減

 富士通株式会社は15日、仮想化環境の専用ストレージ「FUJITSU Storage ETERNUS TR series」(以下、ETERNUS TR series)において、新ハイエンドモデル「ETERNUS TR820」「ETERNUS TR850」「ETERNUS TR880」を販売開始すると発表した。HDDに格納するデータの圧縮機能により、データ容量あたりのコストを最大約50%引き下げたという。

ETERNUS TR800シリーズ

 ETERNUS TR seriesは、大規模な仮想化環境において、安定した高い処理性能と容易な導入・管理を実現するストレージ製品。自動QoSにより、特定のVMに過大なI/Oが発生しても、ほかのVMのI/Oは干渉されないため、仮想環境全体の安定したパフォーマンスを実現する。また、仮想マシン単位で性能と容量を可視化できるので、システム規模が大きくなるにつれて煩雑化する仮想化環境の管理をシンプル化でき、運用工数削減を実現するという。

 今回提供する3製品は、いずれも従来のハイエンド製品を置き換えるもので、HDD上に格納するデータを最新の圧縮アルゴリズムを用いて処理することで、HDDの使用効率を大幅に向上できるのが特徴。ETERNUS TR850の場合、1台あたりのデータ格納容量を従来機の最大約2倍となる66TBに向上するとともに、容量あたりのデータの格納コストを最大約50%引き下げた。また最上位モデルのETERNUS TR880は、大容量のSSDを搭載することで、接続可能な仮想マシン数を従来機比約1.8倍の最大3500とし、さらなる大規模仮想化環境に対応する。

 加えて、情報漏えい対策などデータのセキュリティ強化への要望に応えるため、ディスクに格納するデータを対象に、AES-256方式の暗号化を性能劣化なく実施できるようにした。オプションのライセンスを購入することで利用可能になる。

 ETERNUS TR seriesの価格は、初年度のサポート費用を含み、最小構成で1497万8000円(税別)から。出荷開始は2月20日を予定する。

石井 一志