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全国2万4000の郵便局で社内問い合わせ業務効率化へ、NTT Comが支援

全国統一受付番号やクラウド型PBXなど採用

 日本郵便株式会社が、郵便局から、資金管理に関する社内の問い合わせを一元的に受け付けるために新設した「資金管理センター」の問い合わせ対応業務に、NTT Comの全国統一受付番号「ナビダイヤル」、およびクラウド型PBXサービス「Arcstar Smart PBX」などを組み合わせたソリューションを導入した。

資金管理に関する問い合わせ業務を一本化

 日本郵便は郵政民営化以降、さまざまな面で業務改善やコスト削減に取り組んできた。郵便局の業務においては、資金の配送依頼など「資金管理」に関する支社への問い合わせが日常的かつ頻繁に発生するという。この問い合わせ対応業務を効率化するため、各支社にあった資金管理部門を集約して資金管理センターを設立し、効率的な受付体制の実現を検討。NTT ComのナビダイヤルやArcstar Smart PBXを導入した。

 ナビダイヤルは「0570」で始まる全国共通の電話番号で電話を受け付け、IVR(自動音声応答)によって適切な応答窓口に割り振れるサービス。日本郵便では支社ごとの問い合わせ窓口を東日本と西日本それぞれ一本化し、自動音声ガイダンスによる適切な窓口への誘導(着信前の転送)を実現。同時に「0570」の電話番号に支社別の末尾数字を設定することで、IVRで「所属支社番号」を入力することを省略し、さらに郵便局から着信したトラフィックデータの支社別分析も容易にしている。

クラウド型PBXで業務効率、コスト削減、機動性を実現

 さらにクラウド型PBXサービスであるArcstar Smart PBXを組み合わせることで、資金管理センターから遠隔地の支社の問い合わせ窓口への内線転送(着信後の転送)も可能にし、問い合わせしてきた郵便局に対するかけ直しの依頼などを未然に防げるようにしている。

 Arcstar Smart PBXは、NTT Comのクラウド基盤上にあるIP電話サーバーでPBX機能と内線機能を実現するサービス。転送機能はオンプレミス型のPBXでも実現できるが、日本郵便の場合、1台あたり1000~2000万円かかるPBXを資金管理センター(2カ所)と各支社(13カ所)、および本社(1カ所)の約16カ所に設置する必要があり、導入・運用コストが膨大になるのがネックだった。クラウド型PBXによりこの課題を解決できたのも特筆点となる。

 さらにスマートデバイスの内線化も可能なArcstar Smart PBXの特長を生かし、「資金管理センター」から各支社(問い合わせ窓口)へ転送されてきた問い合わせについては、タブレット端末を固定IP電話機の代替として利用。タブレット端末には低価格なSIMカード「OCN モバイル ONE for Business」を導入し、音声通話も実現するなど、機動性を高めている。

システム構成イメージ

2015年度から全国2万4000の郵便局で運用へ

 まずは東日本に設置した資金管理センターにて、東日本の一部対応(約5000の郵便局からの問い合わせ)を対象に、2014年6月より運用を開始しており、10月3日に西日本に設置した資金管理センターにおいても導入を決定。最終的に東日本全域と西日本を含めた全国2万4000の郵便局からの問い合わせをカバーする形で、2015年度に順次運用を開始する予定という。

川島 弘之