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コンカーとアビームコンサルティングが間接費管理領域で戦略的協業

間接費マネジメントを仕組み化するための包括的サービスを提供

 株式会社コンカーとアビームコンサルティング株式会社は18日、間接費管理領域において戦略的な協業に合意したと発表した。

 今回の協業により、アビームコンサルティングが提供する間接費の最適化支援サービス「ABeam Innovative Cost Optimization Solutions」(以下、ABeam ICOS)に、コンカーのクラウドサービスを加えることで間接費マネジメントシステムの構築を強化し、間接費マネジメントを仕組みとして定着させるための包括的なサービスを提供していく。

会見で握手する米Concur Technologies グローバルセールス担当 上級副社長のマイケル・エバハード氏(左)、アビームコンサルティング 執行役員 プリンシパル 製造統括事業部 統括事業部長の中本雅也氏(中央)、コンカー 代表取締役社長の三村真宗氏
米Concur Technologies グローバルセールス担当 上級副社長のマイケル・エバハード氏

 協業発表にあわせて、米Concur Technologies グローバルセールス担当 上級副社長のマイケル・エバハード氏が、グローバルにおけるコンカーの事業概況を説明。「当社は21年前に設立し、出張・経費管理の分野にフォーカスしてビジネスを展開してきた。特に、2003年にクラウドモデルへ完全移行してからは、利用企業の幅が広がり、現在の導入企業数は150か国以上2万3000社、利用社数は2700万人以上となっている。大手企業の採用率も高く、Fortune 500の61%以上の企業に利用されている」という。

 「日本市場でのビジネスは、過去最速のスピードで成長しており、当社の歴史で最も成功を収めた市場となっている。その中で、今回アビームコンサルティングとパートナーシップを締結できたことは、大きな意義をもつと考えている。間接費管理のシステム面を担うコンカーと、プロセスや業務改革のノウハウを蓄積しているアビームコンサルティングの組み合わせは、顧客に大きな価値をもたらすと確信している」と、アビームコンサルティングとの協業を機に、日本市場でのビジネスをさらに加速していく考えを示した。

 コンカーとアビームコンサルティングの具体的な協業内容としては、まず、アビームコンサルティングが保有する間接コスト最適化に関する豊富なコンサルティングノウハウ・知見と、コンカーが提供するクラウドサービスを組み合わせた間接費改革サービスを開発、提供する。

 また、アビームコンサルティングが保有するBPOセンターで、「Concur Travel&Expense Cloud」を利用している企業におけるオペレーションサービス(証憑チェック、支払い処理、ヘルプデスクなど)を提供するとともに、蓄積されたデータ活用・間接費最適化のための分析、およびリスクコントロールサービスを提供する。さらに、両社の共同マーケティング・営業活動による新規顧客開拓および既存顧客への展開を進め、間接費の最適化を切り口にした案件獲得を促進していく。

コンカー 代表取締役社長の三村真宗氏

 コンカー 代表取締役社長の三村真宗氏は、「当社は、間接費と間接業務を最適化するクラウドサービス群をトータルで展開している。アプリケーションとしては、事前申請管理から出張管理、旅程管理、従業員リスク管理、経費管理、請求管理、支払い管理、経費監査サービスまでをサポート。これに加えて、共通機能としてスマートフォン/タブレット対応アプリケーションやビジネスインテリジェンス機能を提供している。そして、プラットフォームには、Client Web Serviceを使った外部連携機能や堅牢なセキュリティ機能、マルチテナント型のクラウドアーキテクチャを備えている」と、同社の提供するクラウドサービスの概要を紹介。

 「2012年に日本版製品をリリースして以来、国内での利用企業数は急速に増加しており、今年8月の時点で380社に達した。今年第3四半期における新規ビジネスの実績では、米国に次いで2番目の販売実績をあげている」と、日本でのビジネスが好調に推移していることを強調した。

コンカーが提供するサービス群
アビームコンサルティングとの戦略的協業によるサービス提供範囲の変化

 アビームコンサルティングとの協業に至る背景については、「これまで両社は、立場は違えど、同じ間接費の分野でビジネスを展開していた。当社は間接費クラウドサービスを提供し、アビームコンサルティングは業務改革のコンサルティングを提供している。その中で、今後のビジネス拡大に向けて、当社は業務改革に強みをもったパートナーが必要であり、アビームコンサルティングは間接費改革を仕組み化するためのパートナーが課題となっていた」(三村氏)と説明する。「今回の戦略的提携によって、当社単独では仕組みの提供とシステム設定に限定されていたサービスの提供範囲が飛躍的に拡大し、業務改革からPMO、BPO、さらにはグローバル展開まで包括的にカバーできるようになる」(三村氏)としている。

 これを受けて、アビームコンサルティング 執行役員 プリンシパル 製造統括事業部 統括事業部長の中本雅也氏は、「当社では、以前から企業コスト構造改革の一環として、間接費の最適化を支援する『ABeam ICOS』を提供してきた。『ABeam ICOS』は、コスト構造を最適化するための構想策定から業務改革、実装、定着化、さらにはアウトソーシング、蓄積されたデータ分析などまでを包含する総合的なサービスとなっている」と、「ABeam ICOS」のサービス概要について紹介。

 コンカーとの協業展開に関しては、「『ABeam ICOS』に、コンカーのクラウドサービスを加えることで間接費マネジメントシステムの構築をより強化し、間接費マネジメントを仕組みとして定着させるための包括的なサービスを提供する。特に、『ABeam ICOS』の各サービスの中でコンカーを活用することにより、クライアントの戦略を具現化する支援を、これまで以上に効果的に実行できるようになる」と述べている。

アビームコンサルティング 執行役員 プリンシパル 製造統括事業部 統括事業部長の中本雅也氏
「ABeam ICOS」のソリューション群

 「ABeam ICOS」とコンカーの融合による具体的な戦略展開としては、(1)コスト削減実現後のリバウンドを防ぎ、ルール・プロセスを定着させるためのツールとしてコンカーを活用、(2)間接費プロセスのグローバル標準化、業務集約(SSC)、外部化(BPO)を促進するための基盤としてコンカーを活用、(3)間接費の発生実態を可視化し、ルール順守状況のモニタリング、効率化余地の発見を実現するためのツールとしてコンカーを活用--という3つの活用ポイントを挙げた。

 「こうした協業展開により、顧客にとっては、『ABeam ICOS』およびコンカーの導入効果をさらに高めることができる。また、業務・組織・ITの変革を加速化できるとともに、改革に必要な支援をワンストップで受けることが可能になる。さらに、グローバルでのスムーズな展開とガバナンス強化を実現できる」と、中本氏は、コンカーとの協業展開を進めることで、顧客に大きなメリットをもたらすことができると訴えた。

【お詫びと訂正】
初出時、アビームコンサルティングの中本雅也氏と、コンカーの三村真宗氏の写真が入れ違っておりました。お詫びして訂正いたします。

唐沢 正和