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日立、ITサービス運用の効率化に向けたクラウド運用成熟度モデルを開発
2026年4月3日 06:00
株式会社日立製作所(以下、日立)は、クラウドを活用したITサービス運用の現場負担や人材不足の解決に向けて、ITサービス運用者がサービス価値向上に専念できるクラウド運用成熟度モデルを開発したと発表した。
クラウド運用成熟度モデルは、従来、担当者の運用ノウハウや勘に頼っていた応答速度やエラー率などのサービス品質設計やクラウド利用コストの管理を標準化・自動化し、運用現場の作業を最適化する。具体的には、サービス品質指標(SLI)の標準設定や、クラウド利用コストの業界標準形式(FOCUS仕様)による一元管理と異常検知により、迅速で適切なサービス品質設計やクラウド運用コスト全体の管理が可能になる。
国際標準のITサービス運用フレームワーク(ITIL 4)に基づき、日立がクラウド運用アドバイザリサービス「Hitachi Application Reliability Centers(HARC)」で培った運用診断・改善のノウハウを体系化した運用成熟度モデルを構築した。
クラウド運用の作業要素(サービスレベル設計、計測、アラート設計、オンコール計画、一次対応、エスカレーション、トラブルシューティングなど)ごとに、5段階で「運用のあるべき姿」を定め、担当者の行動や必要なツール、基準、課題、改善策などの運用ノウハウを整理し、運用ルールとして標準化した。各作業の成熟度(進み具合)ごとに要件や改善策を提示することにより、担当者に依存せず、運用の標準化と効率化を実現し、運用現場の作業負担を抑えながら安定したサービス運用に貢献する。これにより、ツール間の分断を抑えた運用設計が可能になる。
また、企業や組織がクラウド上で運用するITサービスやアプリケーションなどのシステム特性に応じて、最適なSLI候補を自動抽出する技術を開発した。具体的には、57種類のSLI候補から、システムや業種ごとの機能要件(API応答速度、エラー率、データ整合性など)と非機能要件(可用性、セキュリティ、スループットなど)をもとに、ルールベースの独自アルゴリズムでSLI候補を自動抽出する。これにより、サービス単位や期間単位でのクラウド利用コストの比較や、機械学習によるそれらの異常検知を通じて、従来は気づきにくかったコスト変動を早期に発見できるようになり、マルチクラウド環境でのコスト管理・最適化や経営判断の迅速化を支援するとともに、コスト情報の分断・属人化の抑制にも寄与する。
さらに、複数クラウドサービスのコストデータを、業界標準のFOCUS仕様の統一フォーマットへ自動変換・統合できるツールを開発した。また、FOCUS仕様に対応付けたマッピングテーブルを整備し、クラウドサービスごとに異なる請求書の項目名、データ構造、単位、表記方法などクラウド利用コストのデータを一元的に可視化・分析できるダッシュボードを構築した。これにより、サービス単位や期間単位でのクラウド利用コストの比較と、それらを機械学習により異常検知することで、従来、気付きにくかったクラウド利用コストの変動を早期に発見できるようになり、マルチクラウド環境でのクラウド利用コストの管理・最適化や経営判断の迅速化を支援し、コスト情報の分断・属人化の抑制に寄与する。
日立は今後、モデルをクラウド運用アドバイザリサービス「HARC」などを通じて多くの顧客に展開し、ITサービスの運用効率化・運用コストの全体最適化を支援していく。さらに、AI活用による運用効率化や、顧客の業務環境に合わせたモデルのカスタマイズにも取り組み、AIエージェントの導入効果を最大化する「HARC for AI」との連携を進め、Lumada 3.0を支える技術の一つとして、社会全体のデジタル基盤の信頼性と効率性の向上に貢献するとしている。
