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MasterCard、「Apple Pay」のバックエンドで利用される技術を説明
(2014/9/18 11:54)
MasterCardは17日、Appleが発表した新たなモバイル決済サービス「Apple Pay」において、MasterCardが提供するサービスについての説明会を開催した。
Apple Payは、9月19日に発売されるiPhone 6およびiPhone 6 Plusと、2015年初頭に発売されるウェアラブル端末「Apple Watch」で利用できるモバイル決済サービス。10月から米国でサービスが開始され、米国のApple直営店258店舗を皮切りに、米国有名チェーン店で使用が可能になる予定。
ユーザーはあらかじめクレジットカードを登録しておき、Touch IDによる指紋認証とNFCを利用することで、店舗では非接触リーダーにiPhoneをかざすだけで決済が完了する。また、アプリ内課金にもApple Payが利用できる。
MasterCardマーケット・デベロップメント上席副社長の広瀬薫氏は、Apple Payで利用される「MasterCard Digital Enablement Service(MDES)」について説明。MDESは、決済カード番号をスマートデバイスで利用する別のカード番号に置き換える「トークン化」と、トークン化されたカード情報をスマートデバイスやサーバー上に送信する「デジタル化」を提供するもので、Apple Payでの支払いはMDESと統合されているという。
カード番号の「トークン化」は、MasterCard、Visa、American Expressが提案した業界標準に基づいて、実際のカード番号を支払い用の別の番号に置き換える。端末に保存されるカード情報や、店舗から送信されるカード情報はトークン化された情報で、MasterCardがカード発行会社との間で実カード番号との変換を行う。トークン化されたカード情報はモバイル端末ごとに異なるため他の端末では利用できず、さらにApple Payでの実装のように生体認証を組み合わせることで、安全性を高めているとした。
MasterCardアジア・太平洋地域エマージング・ペイメント・グループ責任者のラジ・ダモハラン氏は、MDESはApple Payが最初の展開となるが、iOSだけでなくAndroidもサポートするプラットフォームで、Appleに独占的に提供するサービスではないと説明。「Apple Payは10月から米国でサービスが開始される。MasterCardとしてはMDESを次の四半期にはアジアにも展開していきたい」と語った。
【記事訂正 09/22】
記事初出時、ダモハラン氏のコメントとして「次の四半期にはアジアにもApple Payを展開していきたい」と記載していましたが、正しくは「MDESを次の四半期にはアジアにも展開していきたい」となります。お詫びして訂正いたします。