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「世界最高峰」の精度を持つ地球観測衛星画像、NTTデータが提供

米DigitalGlobeと総代理店契約

 株式会社NTTデータは、米DigitalGlobeと総代理店契約を締結。NTT空間情報と共同で、4月より公共・民間分野向けに、「最高50cm地上解像度」の衛星画像を活用した衛星画像提供サービスを開始する。

 NTTデータとNTT空間情報は、DigitalGlobeが所有する高分解能衛星画像の提供サービスを開始するとともに、NTTデータが提供する「全世界デジタル3D地図提供サービス」や、NTT空間情報が保有する高精度電子地図「GEOSPACE」と組み合わせた、総合的な地理空間情報サービスを提供する。

 具体的なサービスメニューとしては、最大5つの衛星を統合的に運用する優れた撮影能力を提供する「撮影サービス」、1999年より撮影されている豊富な蓄積画像を提供する「アーカイブ画像サービス」、付加価値のある情報コンテンツへ加工して提供する「付加価値サービス」を用意する。

 クラウドサービスや地理情報システム(GIS)などのICTサービスと組み合わせることで、自然災害への対応、アセットマネジメント、都市計画、農地管理、森林管理などさまざまな用途に使えるのが特長という。

 NTTデータがサービス・ソリューションの企画立案や開発を担当し、NTT空間情報がGEOSPACE販売事業の実績を生かして日本国内の販売窓口を担当する。

「世界最高峰」のDigitalGlobe技術

 今回のサービスの特長は、DigitalGlobeの技術が備える、「撮影能力」「地上解像度(データの精細さを表す尺度)」「位置精度」いずれをとっても「世界最高峰」という、その性能の高さにある。

 「撮影能力」としては、高分解能の地球観測衛星5機(IKONOS、QuickBird、WorldView-1、WorldView-2、GeoEye-1)を保有。それら5機の総合的な運用により、1日に3百万平方kmもの面積(日本の国土の約8倍!)を撮影できる。国家スケールの広域な地理空間情報の整備や迅速性が必要な災害時などの緊急撮影にも効果を発揮する。

 「地上解像度」は、「WorldView-1」「WorldView-2」「GeoEye-1」の3機の運用で「最高50cm地上解像度」を実現。これは50cmの格子間隔で、画像のピクセル値を記録していることを意味し、建物から車1台1台まで判別できるレベル。衛星写真でありながら航空写真にも匹敵し、都市計画への活用も可能にしている。

 「位置精度」は、同じく3機の運用により、地上測量などによる補正なしで「5m CE90」を実現している。これは半径5mの範囲に90%以上が収まる位置精度。もちろん、補正を加えればさらに高精度が実現する。

DigitalGlobe衛星画像のサンプル。左が東京スカイツリー、右がドバイ・ブルジュハリファ

 このほか、提供する衛星画像は全世界をカバーし、NTTデータとNTT空間情報のノウハウを生かし、都市などの高精細3次元地図や、精度の高い土地利用の変遷地図など、付加価値のある地図コンテンツも提供できるのがサービスの特長だ。

DigitalGlobe衛星画像を活用した高精細3次元地図(東京駅周辺)
DigitalGlobe衛星画像を活用した土地利用地図(東京)

 価格は、1平方kmあたり2800円から。都市計画、国土管理、インフラ管理、防災、農林、資源調査、交通など幅広い用途を想定。今後も両社は、新市場の開拓や新サービスの創出を積極的に図り、今回の衛星画像提供サービスについて2016年度までに累計50億円の売り上げを目指すとしている。

川島 弘之