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NTTデータ、航空管制製品ブランド「airpalette」を立ち上げ

 株式会社NTTデータは23日、航空管制製品ブランド「airpalette」を立ち上げたと発表した。航空管制分野でのブランド力の向上と製品ラインナップの拡張により、海外におけるビジネスの拡大を図る。第1弾として、最新かつ精緻な世界中の地形・障害物データを活用できる「airpalette eTOD(electric Terrain&Obstacle Data)」を提供する。

 airpaletteは、航空管制分野におけるNTTデータの製品ブランド。「Air(空)」と「Palette(絵を描く際に使われるパレット)」を掛け合わせた造語。「多彩な製品で、全世界における空の安全や効率的な航空機運航を実現」「パレットに色を足すように、充実していく製品ラインナップ」「絵の具を混ぜて新しい色を生み出すように、さまざまな製品を組み合わせて次世代の航空交通の世界を創出」という思いを込めた。

 第1弾となるeTODソリューションは、世界最高解像度を用いた地形・障害物データ提供サービス。NTTデータは、米DigitalGlobeの高解像度衛星画像における日本国内総代理店であり、JAXAから製造委託された「全世界デジタル3D地図」についても利用許諾を受けて世界販売を行っている。これらを入力データとし、画像処理業務で蓄積してきた「三次元空間情報処理技術」を用いることで、高解像度衛星画像と地形情報に基づく最新かつ精緻な世界中の地形・障害物データを容易に利用できるようにする。

地形・障害物データイメージ。【線の色】緑系は樹木、赤系は建物を表す。【線の長さ】高さを表す

 欧米市場から展開開始。航空管制当局や軍組織に対して空港単位で提供し、これら組織の飛行方式設計業務において必要不可欠となる飛行経路障害物検証の正確性と効率性の改善を支援する。

 ICAO(国際民間航空機関)によると、世界各地域における航空交通輸送量は2025年まで継続的に大幅増加していくと予想され、アジア・太平洋地域だけをみても、年平均5.8%で伸長すると見込まれている。このためICAOでは、2025年以降を見据えた航空交通管理に関する指針を策定。この動きに合わせ、日欧米では同指針に基づいた長期ビジョン(日本の場合は「CARATS(Collaborative Actions for Renovation of Air Traffic Sysytems:航空交通システムの変革に向けた協調的行動)」)が策定され、次世代航空交通管理システムの構築などが進められている。

 eTODソリューションは、こうした状況を鑑み、ICAOが定める航空に関する国際標準「ICAO ANNEX(国際民間航空条約附属書)」に適合している。

川島 弘之