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WSF、OpenFlow 1.3対応のオープンソース仮想ネットワークソフト「OpenVNet」を公開

 株式会社あくしゅが運営するWakame Software Foundation(WSF)は28日、オープンソースの仮想ネットワークソフト「OpenVNet」をリリースしたと発表した。OpenFlowの最新版である1.3に対応しており、ライセンスはLGPL v3に基づいて公開される。

 OpenVNetは、オーバーレイ型の手法を採用した仮想ネットワーク構築ソフト。既存の物理ネットワーク環境の上に、新たなネットワークを仮想的に構築できるので、構築や構成変更を容易に行える点がメリットという。

 物理ネットワークの上にマルチテナントネットワークを管理できるため、ネットワークを集約し、既存ネットワーク機器の利用効率を向上させることが可能。また、ハードウェアの特別な機器を必要としないことから、物理ネットワーク機器の調達コストを低く抑えられる。さらに、物理ネットワークをできるだけ単純な構成にして、簡単な保守だけを行えるようにすれば、物理ネットワークの構成変更にかかる手間を削減可能とのこと。

 コンポーネントは、仮想スイッチ(スライス)、仮想ルータ、外部の物理ネットワークと接続するためのゲートウェイ(VNetEdge)などを提供。仮想ネットワークの構築にあたっては、物理ネットワークに最適なパケット転送方式を自動選択(MAC2MAC/GRE Tunnel)する仕組みを備えているほか、DHCPの機能も提供される。なお、仮想ネットワークの変更はコマンドラインツールから行えるほか、Web APIも用意された。

 今後は、物理ネットワークを仮想化するために必要な機能を順次追加開発する予定。またWSFでは、年度内にはパートナー企業を募集してパイロットプロジェクトを実施する考えで、このパイロットプロジェクトでは、ユーザー企業からの要望を受け、その実装を並行して行っていく予定だ。現在も、NECを始めとする企業との検証フェーズが進んでいるとのことで、その成果はオープンソースとして公開される。

 具体的な機能としては、動的ファイアウォール(セキュリティグループ)機能、グローバルIPアドレスNAT、DNS、VXLANなどの異なるトンネル技術のサポートなどが挙げられている。

石井 一志