NTTコムウェア、冷却装置が一切ない「排熱式データセンター」稼働、PUEは1.02


 NTTコムウェアは11日、PUE=1.02を実現した「排熱式データセンター」のサービスを11月より開始すると発表した。社内クラウドサービスから運用を開始し、順次サービスを拡大していく。

 NTTコムウェアは、キャリアグレードの耐炎性、セキュリティ、運用とグリーンICTを追求したデータセンターサービス「SmartCloud データセンター」のさらなる省電力化を目指し、2011年11月より「排熱式データセンター」の実証実験に取り組んできた。

 「排熱式データセンター」は、冷却装置を一切使用せず、ICT機器から発生する熱を屋外に排熱する完全外気空調方式を採用している。データセンター内の温度・湿度を最適に調整する空流制御、吸気温度40℃に対応した高性能ICT機器の採用などにより、空調消費電力を限りなく0に近いサーバー1台あたり数Wまで削減した。

「排熱式データセンター」の外気空調モデル

 また、需要に応じて柔軟に設備を増設できるモジュール方式を採用。冷却装置なども不要としたことと併せ、創設費と運用費(主に電力関係)の低コスト化(同社従来比:45%減)を実現したという。

 これらにより、約1年間(2011年11月~2012年10月)にわたる実証実験では、厳寒期や酷暑期においてもPUE=1.02の安定したサービスを提供できることを確認した。利用用途としては、クラウドサービス、ビッグデータ、HPCなどの分野を想定し、今後は運用技術の継続的な改善を進めながら、ハウジングへの対応を目指すとしている。

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(川島 弘之)
2012/10/12 06:00